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仲裁とは

 国民生活センター紛争解決委員会(以下「紛争解決委員会」といいます。)が行う仲裁は、仲裁委員が判断(仲裁判断)を行い、当事者がその仲裁判断に従うことで紛争解決を図るものです。

 仲裁判断は、裁判の判決と同様の効力が認められています(なお、強制執行を行うためには、別途手続が必要です)。

そのため

  • 申請に先立って、仲裁委員の判断(仲裁判断)に従う旨の両当事者の合意が必要です。
  • 仲裁判断に対して、不服を申し立てることは原則できません。
  • 仲裁判断がなされると、仲裁判断に納得できなくても、対象の紛争については裁判を受けられなくなります。

などの条件があります。

仲裁の大まかな流れ

 消費者トラブルが生じ、消費生活センター等や国民生活センターへ寄せられた相談のうち、助言やあっせん等の相談処理で解決が見込めなかったときなどは、紛争解決委員会へ仲裁の申請をすることができます。

 消費生活センター等を経ずに、当事者が直接、紛争解決委員会に申請をすることもできます。その場合、重要消費者紛争に該当しているか否かを検討するとともに、申請にあたっての手続方法もあわせてご案内いたしますので、問い合わせ窓口までお問い合わせください。仲裁手続を申請するには、あらかじめ「仲裁委員に紛争の解決を委ね、その判断に従う」ことについて、両当事者が合意していることが必要です(これを「仲裁合意」といいます)。この仲裁合意に基づいて、紛争解決委員会に仲裁の申請をすることができます。

 申請がなされると、委員または特別委員から、当事者が合意によって選んだ者を、委員長が仲裁委員として指名します。委員の選定について、当事者の合意がない場合、委員長が、委員または特別委員から仲裁委員を指名します。

 申請された紛争が、仲裁委員によって重要消費者紛争に該当しないと判断されると、申請は却下されます。

 手続が開始されると、複数回の話し合いが行われ、最終的に、仲裁委員が仲裁判断をします。仲裁委員は申請日から3カ月以内に手続が終了するように努めます(※)。

 なお、当事者双方の承諾があれば、仲裁委員は和解を試みることもできます(これを「和解の勧試」といいます)。和解が成立し、かつ、当事者双方の申立てがあれば、和解における合意を内容とする決定をすることができます。この決定は、仲裁判断と同様の効力があります。和解が成立しないときは、仲裁委員が仲裁判断をします。

 和解による決定や、仲裁判断で定められた事項が履行されない場合、当事者からの申し出があり、紛争解決委員会が相当と認めるときは、その事項を履行するよう、もう一方の当事者に勧告することができます(これを「義務履行の勧告」といいます)。

 手続は非公開で行われますが、手続が終了した場合、紛争解決委員会は、必要と認めるときは結果の概要を公表することができます。

  • ※国民生活センター法および施行規則第18条により、当事者には「3カ月以内」に手続を終了するよう仲介委員等に協力しなければならない義務が課されています。

仲裁の大まかな流れの図

図 仲裁の大まかな流れ

仲裁の大まかな流れの図。図に続いてテキストによる詳細(図内にある※1から※4についての説明)。

※1 仲裁の申請

  • 仲裁の申請をする場合、「仲裁委員に紛争の解決を委ね、その判断に従う」ことについて、前もって、両当事者が合意する必要があります。
  • 申請の書式や記入方法など、詳しくは仲裁の申請方法・申請書をご覧ください。詳細をご案内いたしますので、問い合わせ窓口へのお問い合わせをお勧めします。
  • 申請書の記載事項に不備がある場合、委員長が修正を求めます。定められた期間内に修正されなかった場合、申請は却下されます。

※2 仲裁委員の選定

  • 委員または特別委員から、当事者が合意によって選んだ者について、委員長が指名する仲裁委員によって仲裁が行われます(1人または2人以上)。当事者の合意による選定がされなかったときは、委員長が、委員または特別委員から仲裁委員を指名します。
  • 指名された仲裁委員は、中立かつ公正な立場で仲裁を行います。
  • 仲裁委員のうち、少なくとも1人は弁護士(一定範囲の事件については、いわゆる認定司法書士も可)となります。
  • 指名された仲裁委員に忌避(排除すること)するべき理由があるときは、所定の手続によって忌避できます。忌避の手続は、原則として当事者が合意によって定めますが、合意がない場合は当事者の申立てにより仲裁委員が行います。

※3 仲裁の進め方

  • 仲裁委員は、事案の内容や、当事者の状況を総合的に判断し、Web会議、電話、面談、書面など、適当と認める方法によって仲裁手続を行います。当事者間で合意した実施方法がある場合、それに従います。
  • 仲裁委員は、必要があると認めるときは、当事者に対し、出席や事件に関係のある文書または物品の提出を求めることができます。
  • 仲裁判断は、仲裁法の規定が適用され、裁判による判決と同様の効力を持ちます。
  • 当事者双方の承諾があれば、仲裁委員は和解を試みることもできます。
  • 和解が成立し、当事者双方の申立てがあれば、和解における合意を内容とする決定をすることができます。この決定は、仲裁判断と同様の効力があります。和解が成立しないときは、仲裁委員が仲裁判断をします。

※4 結果の概要の公表等

  • 和解や仲裁判断で定められた事項が履行されない場合、当事者からの申し出があり、紛争解決委員会が、これを相当と認めるときは、その事項を履行するようもう一方の当事者に対して勧告することができます(これを「義務履行の勧告」といいます)。
  • 紛争解決委員会は、仲裁が終了した場合において、必要と認めるときは、結果の概要を公表することができます。この場合、当事者に対し、公表案を事前に照会します。

申請手続について