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[2017年10月30日:公表]

土地が決まっていない建物の請負契約

質問

 住宅販売会社から、希望の土地を後から探す条件で、新築戸建住宅の請負契約を先にするように勧められています。どうしたらいいでしょうか?

回答

 敷地が決まっていない建物の請負契約は、敷地の安全性、敷地が受ける制約などが予測できないままでの建物の設計・施工の契約になるため、後々トラブルになるケースがあります。後で設計変更や追加工事が発生するなど多くのデメリットがある契約形態です。

解説

 新築の建物を建てる際は当然ながら敷地が必要です。施主が自分で土地を探す場合もありますが、業者が土地を探し出して紹介してくれる場合もあります。しかし、中には土地が決まっておらず、後から土地を探すことを条件に建物のみの新築請負契約を結ぶといった形の契約も見受けられます。正式な建築用語ではありませんが、一部では「空中契約」と呼ばれているようです。

 土地が決まっていないまま建物のみの請負契約を結ぶと、敷地の広さ、形状、用途地域、周りの環境や道路の位置、地盤の状況など、建物が敷地から受ける多くの制約が不明のままになります(注)。見つかった土地の状況によっては、軟弱地盤改良などの追加工事や設計変更などが後から発生することもあり、最初の契約より金額が高くなることもあります。さらに、希望の土地がなかなか見つからず、解約しようとすると高額な解約料や違約金を請求されるなどの事例もあります。

 このように、土地が決まらないままに、建物のみの請負契約を結ぶと、土地が決まったとしても、その後にいろいろなトラブルが発生するおそれがあります。これらのデメリットを十分理解した上でない限り、建物のみの請負契約はしないようにしましょう。

 お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。

  • (注)建築基準法は、敷地を決めて、その敷地の衛生や安全性を確認した上で、その敷地の条件に合った建築物の設計・施工を行うことを趣旨としています(第19条、第20条)。