[2017年8月30日:公表]
電子キーの乗用車で子どもが閉じ込められた
質問
乗用車の助手席に電子キーを入れたカバンを置いたまま、車外に出てドアを閉めたところロックがかかり、チャイルドシートに座らせた子どもが車内に閉じ込められてしまいました。あわててロードサービスを呼んで鍵を開けてもらい、助け出しました。子どもが無事でよかったですが、もっと暑ければ熱中症になっていたかもしれないと思うと怖いです。なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
回答
エンジンが停止している状態で、
- 電子キーの電池が切れたとき
- 車内にある電子キーのボタンがカバンの中で他の物と触れるなど、何らかの理由で押されたとき
に乗用車のドアが意図せず施錠されることがあります。
定期的に電池を交換することや、車を降りるときに電子キーを持っているか確認することにより子どもの閉じ込めを防ぎましょう。
解説
近年、鍵を持っているだけ、もしくは鍵のボタンを押すだけでドアの解錠、施錠やエンジンの始動ができる電子キー(リモコンキー)を装備している乗用車が増えています。
便利な機能である一方で、「電子キーが作動しなくなり、炎天下の中子どもが車に閉じ込められてしまった。ロードサービス業者を呼び、ドアをこじ開けて救出した」「生後4カ月の子どもを座らせ荷物の中に電子キーを入れてドアを閉めたらロックがかかってしまった。周りの人が車に水をかけてくれ、救急車を呼び、窓を壊して救助してもらい何とか助かった」などといった、意図しない施錠による子ども等の閉じ込めトラブルが起きています。
このような閉じ込めトラブルに関し、以下の点に注意しましょう。
電池切れへの対策
定期的な交換
エンジンが停止しているときに、電子キーの電池が切れるとドアが施錠される場合があります。電池は定期的に交換しましょう。自分で交換できないときは乗用車の取り扱いディーラーなどに依頼しましょう。
電子キーは車両から離して保管する
電子キーを車の近くに置いたままにすると、電波を発信し続けて電子キーの電池や車のバッテリーが消耗する場合があります。電子キーは車両から離れた場所に保管しましょう。
電池切れの際のドアの解錠方法の確認
電子キーの電池切れの際のドアの解錠方法を乗用車の取扱説明書で確認しておきましょう。不明点は乗用車のメーカーや取り扱いディーラーに確認しましょう。
降車する際の鍵の所在確認
エンジンが停止しているときに、カバンの中で他の物と触れるなど何らかの理由で電子キーのボタンが押されると、車内に電子キーがあるのにドアが施錠されることがあります。車内に子どもだけが残された状態で施錠された場合には、閉じ込めトラブルとなってしまいます。運転者と電子キーは「一緒に乗車、一緒に降車」が基本です。人や荷物の乗降の際には、短時間であっても電子キーを持っているか必ず確認しましょう。
子どもの閉じ込めが起こってしまったら
夏場など気温の高い時期には、短時間の閉じ込めでも熱中症になる危険性があります。まずは、落ち着いて車内のお子さんの状態をよく見極めましょう。緊急性があると思われる場合には、ロードサービス等へ子どもが車内に残されていることを伝え、すみやかに救助を依頼しましょう。
子どもを救出する方法が他に何もなく、自分で窓を壊す場合、フロントガラス(前側の窓)ではなくウインドーガラス(ドア部分のガラス)を、金属や石など硬いもので勢いをつけて強く打撃します(※)。駐車場など周りに車があれば、搭載されている自動車用緊急脱出ハンマーを借りてそれを使うとよいでしょう。その他、ビニール袋があれば硬貨(金属)や石を詰めて振り回し、スピードをつけてウインドーガラスを打撃するという方法があります。
- ※ウインドーガラスを割ることは負傷等のおそれもあり非常に危険です。最後の手段としてやむなく行う場合は、車内外にも十分に注意して行ってください。
お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。