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[2017年3月29日:公表]

綿100%表示なのに化繊が入っている?

質問

 私は化学繊維にアレルギーがあるため、いつも天然素材100%の衣類を着るようにしています。先日購入したばかりの綿100%と表示のあるパジャマを着たら、アレルギーの発作が出たため、よく見るとリボン飾りの素材が化学繊維のようでした。綿100%の表示は誤りではないでしょうか。

回答

 リボン飾りなどの重量が衣類の総重量に対して5%以下であれば、その部分の表示を省略できる特例が、家庭用品品質表示法により認められています。したがって、リボン飾りが化学繊維であったとしても、その重量が5%以内であれば、綿100%と表示することができます。不明点や疑問がある場合には、衣類メーカーに確認をしてみましょう。

解説

 衣類をはじめとした繊維製品は、家庭用品品質表示法および繊維製品品質表示規程により表示の仕方が定められています。衣類に含まれる繊維はその種類ごとに、重量による百分率で表示されますが、この比率のことを「混用率」と呼びます。混用率は、洗濯表示などと共に衣類の内側のタグに記載されていることが多いです。

 混用率の表示には、リボン飾りをはじめ「装飾、補強または縁取り等特定の部分の効用を増すために使用された」糸や生地に関する特例があります。これら全ての重量の合計が衣類全体の重量に対して5%以内であれば、混用率の計算に含めなくてもよいとされています。つまり、合計重量が5%以内であればこれらの表示を省略してもよい、ということになります。例えば、刺しゅうやアップリケ、リボンやレースの縁取り、袖口に用いられた伸縮糸、靴下のかかとやつま先などの補強部分などに、表示以外の繊維が使われている場合があります。

 ところで、食品には「トレーサビリティー」といって、製品からさかのぼって製造工程で用いられた材料や加工方法を詳しく調べる仕組みがあります。衣類メーカーも同様のシステムを導入している場合があり、導入していれば、製品に含まれる微量の繊維について、その種類や衣類のどの位置にあるのか、などを調べることができます。全ての企業がトレーサビリティーを導入している訳ではないため、必ずしも回答が得られるとは限りませんが、必要な場合には商品に関する問い合わせをして情報提供の協力を求めてみましょう。

 お困りの際にはお近くの消費生活センター(消費者ホットライン188)にご相談ください。

参考