新聞の定期購読契約は途中で止められる?
質問
新聞の購読を止めたいと思い、集金の担当者に「来月末で契約を止めたい」と伝えましたが、「契約期間がまだ残っているので解約できない」と言われました。契約を途中で止めることはできなのでしょうか。
回答
契約は原則として一方的に解約できません。ただし、クーリング・オフできる場合があります。購読契約書にサインをする前に、契約期間終了まで購読できるか十分に考え、書面の内容をよく確認し、慎重に判断した上でサインをするようにしましょう。
解説
訪問販売で新聞の契約をした場合は、「契約書面を受け取った日から8日以内」であればクーリング・オフできますが、この期間を過ぎると、原則として契約者が一方的に解約することはできなくなります(注1、注2)。
新聞の訪問販売に関する契約トラブルについては、消費者トラブルメール箱への情報提供が多数寄せられています。中でも、契約に関しては、長期間にわたる契約や、申し込みをしてから数年後に購読が始まる契約、他の新聞社との購読契約中にその後の契約を結ばせるなどのケースが目立ちます。解約に関しては、解約を申し出た時に販売店から契約時に渡された高額な景品の代金を請求されたり、新品を買って返すように言われたりするケースが多数みられます。
長期間の契約をした後、購読期間が終わるまでの間に、転居、病気や入院、死亡などの理由で、購読を続けられなくなる可能性もあります。しかし、契約成立後は消費者側にも契約を守る義務が生じますので、消費者の都合で一方的に購読を止めることはできません。
訪問販売での新聞の購読契約は、次の点に十分注意して慎重に行いましょう。
- 不用意にドアを開けず、訪問者が誰かを確認し、勧誘を受けても購読の意思がなければ、きっぱり断りましょう
- 高額な景品は受け取らず、景品につられて契約しないようにしましょう(注3)
- 長期間の契約や、申し込みをしてから数年先から始まる契約は避け、先の見通せる範囲で契約しましょう
- 「いつでも解約できる」などと勧誘されても、セールストークだけをうのみにせず、購読契約書の内容をよく確認しましょう
- 購読契約書にサインする前には、今一度、必要な契約(望んでいる契約)かどうか、契約期間終了まで購読できるかなど慎重に考え、書面の内容をよく確認しましょう
- 望まない契約をしてしまった際はクーリング・オフをしましょう
- トラブルになったときのために、購読契約書の控えは必ず保管しておきましょう
販売店との話し合いがつかずトラブルになった場合は、お近くの消費生活センター等にご相談ください。
- (注1)契約書面の交付を受けていない場合は、いつでもクーリング・オフできます。また、クーリング・オフ期間を過ぎてしまっても、販売方法等に問題があった場合は解約できる可能性もありますので、トラブルになったら消費生活センター等に相談してください。
- (注2)クーリング・オフ期間を過ぎると一方的に解約できなくなりますが、新聞公正取引協議会・日本新聞協会販売委員会は、「新聞購読契約に関するガイドライン」において、不適切な契約が行われていた場合や考慮すべき事情がある場合など、購読者にやむを得ない正当な理由があれば解約できることを定めています。
- (注3)新聞の景品の上限額は景品表示法で「取引の価額の8%または6カ月分の購読料金8%のいずれか低い金額」と定められています。例えば、月間の購読料が4,000円で半年以上の契約の場合、提供できる景品は半年分の購読料の8%である1,920円までとなります。