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[2015年3月6日:公表]

数年前に買った靴の底がパックリと割れてしまった

質問

 数年前に買ったトレッキングシューズ、最近の山ブームもあって、再び履き始めたところ、1カ月ほどで靴底がパックリと割れて壊れました。何が起きたのでしょうか?

回答

 加水分解による劣化・破損が考えられます。靴の保管に注意するとともに、安全のためにも使う前のチェックを行い、必要に応じて、買い替えも検討しましょう。

解説

 最近の登山ブームもあり、昔取ったきねづかとばかり、以前購入した登山靴で山に向かったら途中で靴底がパックリ割れて壊れた、という話を耳にします。また、流行の人気モデルスニーカーを買い置いていたが、靴箱の中で見るも無残にボロボロになっていた、という相談も寄せられます。

 これらは、主に靴底に用いられているウレタンが加水分解(空気中の水分や雨水などの浸入で、分子結合が次第にもろくなること)によって、最終的に形状を保てなくなり、起こる現象です。使用頻度と無関係に起こり、製造時点から始まっている宿命的な変化です。日本は総じて高温多湿の環境にあり、加水分解が進みやすいことも要因に挙げられます。

 劣化を少しでも抑えるためには、使用後に水分や汚れをしっかり取り、風通し良く保管するなどの工夫が必要です。それでも、本格的に使う前には、靴の各部がしっかり機能しているか確かめましょう。少しでも不安を感じたら、安全のためにも買い替える勇気を。

 メーカーによっては、加水分解の問題を認識し、有償ながら修理を行っていることもあるので、愛着のある靴なら、メーカーに相談してみるのも良いでしょう。また、ウレタンは靴以外に衣料品などにも使われており、剥がれ、ひび割れ、ベタつきなどが起こることを知っておきましょう。

 困ったときには、お近くの消費生活センターにご相談ください。