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[2013年2月12日:公表]

シックハウス原因物質の濃度が高いと言われた新築マイホーム

質問

 念願のマイホームを建てたのですが、入居後、娘が目の炎症や呼吸器系を中心に体調不良となり、環境測定を依頼したところ、室内のシックハウス原因物質濃度が基準の10倍以上と言われました。設計会社も施工業者も「わが社は悪くない」と取り合ってくれません。

回答

 まず発生源を特定し、次に原因を取り除くことになります。事業者の責任感と協力も必要になるので、解決が進まない場合、消費生活センターに相談しましょう。

解説

 いわゆる「シックハウス症候群」は、発症について完全に解明されていない部分もありますが、今のところ建材(合板など)や家具に使われた塗料や接着剤などが発する、VVOC(ホルムアルデヒドなどの高揮発性有機化合物)やVOC(トルエンなどの揮発性有機化合物)の作用が関係しているとされています。原因物質にさらされることで、目や喉が痛くなったり、めまいや吐き気・頭痛などの健康被害が出ることもあり、特に小さな子どもは、症状が強く出る可能性があります。

 最近の高気密・高断熱な住宅は、原因物質の屋外への自然発散が進みづらいことから、平成15(2003)年7月に施行された改正建築基準法で、対象物質を含む使用建材の品目や量の規制、24時間換気装置の設置などが義務付けられました。厚生労働省においては、化学物質の室内濃度について継続的に追加や指針値の設定が見直されており、定められた数値を継続的に下回ることが望ましい、としています。

 夏季や冬季は、窓を全閉し、空調を動かすことが常であることから、主に居室においては、換気設備などが稼働した状態で、原因物質濃度が指針値を継続的に超えている場合は問題です。施工業者に、発生源の特定や、使用建材の情報を示してもらうなどの対応を求め、住宅構造部材が原因であれば、指針値を下回るように修繕や部材の取り替えなどの対処を求めましょう。

 もっとも、原因が常に住宅構造にあるわけではありません。原因は購入した家具だった、ということもよくある話です。この場合は、購入者の責任で対応することになるので、購入に際しては、よく確かめておく必要もあります。また、化学物質に敏感な傾向を持つ場合は、家の設計段階から、使用する建材・素材について、規制値や基準値にとらわれず、事業者とよく話し合いましょう。

参考