独立行政法人国民生活センター

検索メニュー

×閉じる

現在の位置:トップページ > 注目情報 > 発表情報 > ヘアドライヤーの取り扱いに注意−発火、火花の発生によるやけどや、髪の毛が吸い込まれて抜けなくなることも−

ここから本文
[2017年2月14日:更新]
[2016年12月8日:公表]

ヘアドライヤーの取り扱いに注意−発火、火花の発生によるやけどや、髪の毛が吸い込まれて抜けなくなることも−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 ヘアドライヤーは一般家庭に広く普及し、日常的に使用されています。PIO-NET(注1)には、2011〜2015年度の間に「ヘアドライヤー」に関する相談が毎年100件以上寄せられています。この中には危害・危険情報(注2)が毎年50〜70件程度含まれており、「コードの付け根から火花が出てやけどをした」、「髪の毛が吸い込まれて取れなくなり、はさみで切った」等の事例が見られました。

 そこで、これらの相談事例をもとに、消費者にヘアドライヤーの使用実態等についてのアンケートを実施するとともに、一般家庭で使用中のヘアドライヤーに関する調査、コードの損傷不具合や、ヘアドライヤーによる髪の毛の吸い込みについて再現テストを行い、注意喚起及び情報提供を行います。

  • (注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのことです。
  • (注2)「危害・危険情報」とは、商品・役務・設備に関連して、身体にけが、病気等の疾病(危害)を受けたという情報(危害情報)と、危害を受けたわけではないが、そのおそれがある情報(危険情報)を合わせたものです。

普段ヘアドライヤーを使用している人へのアンケート調査

  • 約7割の人がほぼ毎日ヘアドライヤーを使用していました
  • 約6割の人が取扱説明書を読んでいませんでした
  • 約6割の人が「コードを本体に巻き付けない」ことを知りませんでした
  • 約8割の人がヘアドライヤーを使用していないときはプラグをコンセントから抜き、そのうち約3割の人がコードを本体に巻き付けていました
  • コードや本体の動作などの異常に気が付いていても使用を続けている人がいました
  • ヘアドライヤーに髪の毛を吸い込まれた人のうち、約5割の人が髪の毛に何らかの被害を受けていました

テスト結果

使用中のヘアドライヤーの調査

  • コードにねじれの生じているヘアドライヤーが多く見られました
  • 導線に損傷のある箇所を中心に、コードに局所的な発熱が見られました

再現テスト

  • コードが損傷しているヘアドライヤーを使用すると、動作の異常や、発煙、発火、火花の発生が見られました

写真1 コードのショートにより火花が発生する様子(例)
手に持ったヘアドライヤーのコードの付け根に火花が発生している写真
※写真のヘアドライヤーは事例とは関係ありません。

  • 吸い込み口の近くに髪の毛の先端があると吸い込まれることがありました

写真2 吸い込み口から人工毛が吸い込まれる様子(例)
使用中のヘアドライヤーの吸い込み口に人形の人工毛が数十本ほど吸い込まれている写真
※写真のヘアドライヤーは事例とは関係ありません。

本体へのコードの巻き付けについて

  • コードを本体に巻き付けるとコードが損傷する場合があります

取扱説明書等の表示

  • 取扱説明書や本体には、コードを本体に巻き付けないこと、異常があれば使用しないこと、吸い込み口に髪を近づけないことなどが表示されていました

消費者へのアドバイス

  • 本体にコードを巻き付けないようにしましょう
  • コードや本体の動作に異常が見られたときは使用をやめましょう
  • 髪の毛を吸い込み口に近づけないようにしましょう
  • 取扱説明書をよく読みましょう

業界への要望

  • ヘアドライヤー使用中の不具合を未然に防止するため、さらなる製品改善や啓発活動を要望します

要望先

  • 一般社団法人日本電機工業会(法人番号8010005016727)

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 経済産業省 商務情報政策局 製品安全課(法人番号4000012090001)
  • 一般財団法人家電製品協会(法人番号5010005018544)

動画

※大きな音がします。強い光を発するシーンがあります。
視聴に際して、ご注意ください。

業界の対応 ※2017年2月14日 追加

「一般社団法人日本電機工業会 家電部」より

 今回頂きました要望書は、既に当会の会員会社に配布し、内容を周知させて頂きました。

 次に、ご指摘の「電源コードや本体の動作の異常に気付いても使用を継続している人や本体への電源コードの巻き付けをしている人が多く見られた。」「髪の毛を吸い込まれ、髪の毛に被害を受けた経験のある人も見られた。」に関する注意・警告表示は、既に当会の会員会社のドライヤーの取扱説明書に表示しております。

 更にご理解を深めて頂くために、当会のホームページに「ドライヤーの安全上のご注意」を掲載するなどの啓発活動を実施しておりますが、今後より見やすく改善する事を検討するとともに、この機会にJEMAのホームページのLatest Newsに本件を掲載することにより、「ドライヤーの安全上のご注意」への訪問を促す等の取組みを行います。

 また、製品の構造については、ヘアドライヤー使用後に電源コードを本体に巻きつけて内部の電線がショートした事例を踏まえ、平成26年1月1日施行で強化された、電源コードの折り曲げ試験の条件(屈曲回数、屈曲角度)に関する電気用品安全法の電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈に基づき、既に当会の会員会社はより安全性を高めた製品を出荷しておりますが、これからも、より安全性を高める努力を継続して参ります。

一般社団法人日本電機工業会(JEMA) 家電部


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について