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[2018年11月6日:更新]
[2018年8月2日:公表]

ドライブレコーダーの映像を定期的に確認しましょう−SDカードの異常により映像が記録されていないことも−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 ドライブレコーダーは、自動車のフロントガラスなどに取り付け、運転時の映像を録画するものであり、事故やトラブルの際の映像記録が後の処理に役立てられる事例も多く見受けられています。

 PIO-NETには、ドライブレコーダーに関する相談が2013年度以降444件、そのうち映像が残っていなかったなど記録に関する相談は88件寄せられており、年々増加している傾向にあります。

 当センターにも、SDカードの異常によって映像が記録できていないというテスト依頼が寄せられています。

 そこで、ドライブレコーダーについて、使用実態やSDカードに異常があった際の検出機能を中心にテストを実施し、注意喚起することとしました。

ドライブレコーダーについて

  • ドライブレコーダーの多くは、本体を自動車のフロントガラス付近に取り付け、エンジン始動からエンジン停止までの映像を自動でSDカードに記録し続けます。また、SDカードの容量がいっぱいになると古いファイルから順に上書きされていくタイプが主流です。
  • ドライブレコーダーを取り付ける位置については、道路運送車両の保安基準(注1)により設置場所が限定されています。
  • (注1)道路運送車両法において、自動車の構造・装置について、安全確保及び環境保全上の技術基準が定められたもの。

消費者へのアンケート調査

  • 約9割の人が、事故やトラブルの際の記録用として取り付けていました
  • ドライブレコーダーの映像を確認したことがある人の中には、正常に映像が記録されていなかったことを経験している人がいました
  • 約6割の人が、SDカードのフォーマット(注2)や交換が必要なことを知りませんでした
  • 約6割の人が、SDカードのフォーマットや交換を実施していませんでした
  • 1割以上の人が、仕様に合っていないSDカードを使用している可能性がありました
  • (注2)メモリカードなどの記録媒体に対し、記録するための領域を作ること。初期化。

異常のあるSDカードを用いたときの動作

  • ※本テスト結果は特定の条件による一例であり、全てのSDカードで起こるものではありません。
  • 端子の損傷を想定したSDカードを用いた際、全ての銘柄で異常が検出されましたが、通知は「音と表示」によるものと「表示のみ」のものがあり、通知方法に違いが見られました
  • 仕様範囲外のSDカードを用いた際、銘柄によって、異常を検出する動作にばらつきが見られました
  • 書き込み可能領域が極端に少ないSDカードを用いた際、録画が継続される銘柄では、正常に記録がされていない場合も見られました
  • 読み書きできないSDカードを用いた際、異常として検出しなかった3銘柄は、録画している表示が見られたにもかかわらず記録がされていませんでした

表示の調査

  • SDカードのフォーマットに関する記載は12銘柄中9銘柄で見られ、交換に関する記載は12銘柄中11銘柄で見られました
  • 事故時の映像記録が目的と記載されているものは、12銘柄中2銘柄のみでした

消費者へのアドバイス

  • ドライブレコーダーで記録した映像は定期的に確認しましょう
  • SDカードは定期的にフォーマットして使用するほか、消耗品であることから定期的に新しいものと交換しましょう
  • SDカードの定期的なフォーマットが不要なドライブレコーダーや、耐久性が高いと謳(うた)ったSDカードも販売されています。目的や使用方法に応じて商品を選択するようにしましょう

事業者・業界への要望

  • SDカードの異常に対し、消費者が認識しやすい機能を持った商品への改善を要望します
  • 記録映像の定期的な確認やSDカードの定期的なメンテナンス、ドライブレコーダーの目的などについて、消費者への更なる啓発を要望します

要望先

  • 一般社団法人ドライブレコーダー協議会(法人番号6010705002516)

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 国土交通省 自動車局 安全政策課(法人番号2000012100001)
  • 経済産業省 商務情報政策局 情報産業課(法人番号4000012090001)
  • 警察庁 交通局 交通企画課(法人番号8000012130001)
  • 全国自動車用品工業会(法人番号7700150000986)
  • 一般社団法人自動車用品小売業協会(法人番号8010405007887)
  • 一般社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(法人番号8010005004343)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)

業界の対応 ※2018年11月6日 追加

「一般社団法人ドライブレコーダー協議会」より

 当協議会では、交通事故の予防安全、事故分析に効果の大きなドライブレコーダーの普及について、産官学の有機的な協力により、健全な競争原理の下での速やかな進展に取り組んでいます。

 当協議会では、ドライブレコーダーの記録媒体として使用されるメモリーカードについて、定期的なメンテナンスの必要性や、メモリーカードには寿命があり消耗品である事などを盛り込んだパンフレット「ドライブレコーダーの基礎知識」を作成し、これまでも配布してきました。今後も、より分かりやすい内容に適宜改編し、適時、適所で配布する予定です。

 また、現在、ドライブレコーダーのガイドラインを策定中で、この中では、メモリーカードに対しての注意事項の記載や、エラー表示の仕様についても盛り込む予定です。

 この度、貴センターのテスト結果とご要望を受け、今後、関係各所や他団体ともより連携を強め、ドライブレコーダーをより安心して消費者にご使用頂けるよう、注意事項の周知の徹底、製品仕様への関与などについて、一層の対応を進めて参ります。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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