光回線サービスの卸売に関する勧誘トラブルにご注意!第2弾−安くなると言われても、すぐに契約しないようにしましょう−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
2015年2月1日より、東日本電信電話株式会社および西日本電信電話株式会社(以下、NTT東西とする)が光回線サービスの卸売を開始し、卸売を受けた様々な事業者(以下、光コラボレーション事業者とする)が参入し、光回線にプロバイダーや携帯電話等の独自のサービスを組み合わせて、様々な料金や契約形態で販売しています。
国民生活センターでは、2016年2月に光コラボレーション事業者が提供する光回線サービス(以下、コラボ光とする)の勧誘トラブルについて消費者に注意喚起(注1)行いましたが、その後も全国の消費生活センター等には「現在契約している事業者のサービス変更だと思って了承したら、別業者との契約になっていた」「今より安くなると言われたのに、覚えのないオプションが契約されており、前より高くなった」等の事例や、消費者が光回線サービスの卸売について十分な理解がないまま契約してトラブルになってしまった事例が引き続き寄せられています。
また、PIO-NET(注2)には2015年度以降、毎年度1万件を超す相談が寄せられており、契約当事者が60歳以上のトラブルの割合(注3)が増加していることから、改めてトラブルの未然防止、拡大防止の観点から消費者に注意を呼びかけると共に、関係機関へ要望および情報提供を行います。
図.相談件数と契約当事者が60歳以上の割合の年度別推移
※1 2014年5月13日以降の受付分
※2 2017年度同期件数(2017年6月30日までのPIO-NET登録分)
2014年度の相談件数は361件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は36.1%、2015年度の相談件数は12,918件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は33.8%、2016年度の相談件数は16,427件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は42.5%、2017年度の相談件数は13,853件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は49.9%、2018年度の相談件数は2,177件(前年度同時期の相談件数は2,905件)、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は51.0%です。
- (注1)2016年2月12日公表:光回線サービスの卸売に関する勧誘トラブルにご注意!
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)は、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は、2018年6月30日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。
- (注3)不明・無回答等を除いて算出。
相談事例
- 【事例1】
- 契約先のプラン変更だと思ったら、別業者との契約になっていた
- 【事例2】
- 契約先事業者だと思ったが別業者だったので解約したいが、連絡先がわからない
- 【事例3】
- 光回線の変更が必要であるかのような勧誘により契約してしまった
- 【事例4】
- 料金が安くなると言われて契約したら、説明されていないオプションが契約になっており、高額な請求を受けた
- 【事例5】
- スマートフォンの説明を聞きに行ったのに、光回線の転用手続きが行われていた
相談事例からみる問題点
- NTT東西と誤認させ、別業者との契約になることを認識させていない
- 変更しなければならないとの誤った説明で契約させている
- 勧誘時に契約に関する料金が正しく説明されていない
- 契約を了承した覚えがないのに契約になっている
消費者へのアドバイス
コラボ光はNTT東西との契約ではなく、光コラボレーション事業者との契約であることを理解しましょう
- 現在の契約内容を確認しておきましょう
- 勧誘された事業者名やサービス名、連絡先等、コラボ光の契約内容を確認しましょう
- 現在の契約内容とコラボ光の契約内容を比べた上で検討しましょう
- 契約後にキャンセル・解約したいと思った場合は、すぐに光コラボレーション事業者に申し出ましょう
- トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
行政への要望
総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課(法人番号2000012020001)
電気通信事業者および代理店等に対し、以下の事項について継続的に行うことを要望します。
- 販売勧誘等を行う際は、契約関係の正確な内容や、同時に契約になるサービスも含め、今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めた注意点等についても説明が徹底されるよう指導すること
- 特に、高齢者に関する相談の割合が増加していることから、消費者の知識および経験、契約の目的、利用実態等を踏まえ、消費者が契約内容を理解し、契約が必要かどうかも含めた適切な判断ができるような説明が徹底されるよう指導すること
- サービス内容や契約先の変更等に関する説明不足等が原因となるトラブルが発生している実態に鑑み、市場の健全化、消費者被害防止の観点から、電気通信事業法の消費者保護ルールに違反した電気通信事業者および代理店等に対する行政指導等の対応を行うこと
業界団体への要望
電気通信サービス向上推進協議会(法人番号なし)
特に高齢者に関する相談の割合が増加していることに鑑み、以下の事項について継続的に行うことを要望します。
- 加盟事業者において、電気通信事業法および「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準及びガイドライン」等に基づき、消費者の知識および経験、契約の目的、利用実態等を踏まえた営業活動を行うこと
- 契約関係や、今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めたサービスの特性や注意点等についての説明を徹底し、特に、転用を伴う契約の場合は、現在契約している光回線サービスが解約となり、別途プロバイダー等の解約が必要となるケースがあること等についても注意喚起を行い、消費者が十分に理解した上で、主体的に契約先の選択ができるよう、加盟事業者に対して周知徹底すること
- 消費者への啓発 のほか、加盟事業者が行う勧誘に対して自主基準違反の疑義がある場合には、事実関係の調査を行いつつ、苦情の減少に向けた取り組みを行うこと
一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(法人番号2011005006137)
特に高齢者に関する相談の割合が増加していることに鑑み、以下の事項について継続的に対応することを要望します。
- 携帯電話販売店の店頭販売において、電気通信事業法等に基づき、消費者の知識および経験、契約の目的、利用実態を踏まえた営業活動を徹底すること
- 勧誘時の説明においては、契約関係や今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めたサービスの特性や注意点等の説明を徹底し、携帯電話等の同時に契約になるサービスも含め、消費者が契約内容を十分に理解した上で、主体的にサービスの選択ができるよう、加盟事業者に対して周知徹底すること
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 事業政策課(法人番号2000012020001)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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