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[2016年12月7日:公表]

医療機関ネットワークにみる店舗用ショッピングカートでの子どもの事故−転落時の頭部損傷のリスクが高く、危険です!−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 スーパーマーケットやショッピングモール等の店舗には、購入する商品を運ぶための店舗用ショッピングカート(以下、「ショッピングカート」)があり、日常的に多くの消費者に利用されています。こうしたショッピングカートには、子どもを乗せる座席がついているものなど、大きさや形状にも様々なタイプがあります。店舗によっては、複数のタイプを揃(そろ)えており、子どもを座席に乗せて買い物をする姿もよく見受けられます。

 一方、医療機関ネットワーク(注1)には、店舗で子どもがショッピングカートから落ちてしまった、ショッピングカートに乗ったまま転倒してしまったなどの事例が多く寄せられ、頭部や顔面にけがを負ったり、なかには骨折や頭蓋(がい)内損傷などの重症事例も寄せられています。

 そこで、医療機関ネットワークで収集した店舗内でのショッピングカートによる子どもの事故情報について分析し、事故防止のために消費者に注意喚起・情報提供します。

  1. (注1)消費者庁と国民生活センターとの共同事業で、消費生活において生命または身体に被害が生じた事故に遭い、参画医療機関を受診したことによる事故情報を収集するもの(2010年12月から運用を開始)。

医療機関ネットワークにみる危害情報

  • 2011年度以降寄せられたスーパーマーケットやショッピングモール等の店舗内での事故情報は295件(注2)あり、そのうち、ショッピングカートに関わる事例は118件と、約4割を占めていました
  • ショッピングカートに関わる事故を年齢別にみると、1歳〜3歳の幼児の事故が85件と、7割以上を占めていました
  • さらに、6歳以下の子どもの事故(108件)を内容別にみると、「転落」が約6割(69件)と最も多く、立ち上がろうとしたり身を乗り出したときに事故が発生しています(図)
  • 6歳以下の子どもの事故を危害部位別にみると、頭部の危害が最も多く、8割以上の事故で「頭全体」(頭部から顔面の範囲)に危害を生じていました
  1. (注2)2016年10月31日までの伝送分。件数は本調査のために特別に事例を精査したものである。

図 事故の内容別件数(n=108)
事故の内容別件数についてのグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

 「立ち乗り・乗り出して転落」が30件で全体の27.8%、「転落(その他)」が39件で全体の36.1%、この2つをあわせた「転落」は69件で全体の63.9%です。「カートごと転倒」は11件で全体の10.2%、「カートに乗ろうとして転倒」は2件で全体の1.9%、「カートを動かしていて転倒」は5件で全体の4.6%、これら3つをあわせた「転倒」は18件で全体の16.7%です。「衝突・接触」は16件で全体の14.8%、「挟む」は5件で全体の4.6%です。



主な相談事例

【事例】
 ショッピングセンターのカートに乗っていたところ、転落し後頭部を打撲した。すぐに泣き意識消失もなかった。その後吐き気があり自宅に帰っても吐き気が続くため受診したところ、頭部CTにて後頭蓋骨の急性硬膜外血腫を認め、救急搬送された。
(2015年2月発生 1歳8カ月 女児 重症)
【事例】
 駐車場内で子ども用ショッピングカートから転落した。高さは約1m、下はコンクリート。すぐに啼泣(ていきゅう)あり、嘔気(おうき)・意識障害などはなし。右前額部に3cmの裂創あり。一部、骨膜が見えている。
(2012年7月発生 3歳8カ月 女児 軽症)
【事例】
 母親と一緒にスーパーで買い物をしていて、一緒にレジ前で会計の順番待ちをしていた。本人はカートの下段に乗っていた。本人が揺らしたのか、ショッピングカートが転倒し、床へ転がった。右手親指にけがをしており、出血していたので、救急車で搬送。受診時、右手第1指は圧挫されており、開放骨折、爪は剥離していた。手術し、入院。
(2012年11月発生 2歳6カ月 男児 中等症)


ショッピングカートでの事故におけるリスク評価

  • 子どもの転落・転倒事故の分析における頭部の損傷リスク評価について、3歳児が床と水平な状態で転落したと想定したシミュレーションを行ったところ、頭部の転落高さが約73cmを超えると、硬いコンクリートの床面に対して転落したときに中程度の頭部損傷(頭蓋骨の骨折や、意識喪失を伴う顔の骨折や深い切り傷など)が発生するリスクが非常に高くなります
  • 実際に店舗で使用するものとして販売されているショッピングカートの座面の高さ及びカゴの上端までの高さについて、製造・販売事業者3者にアンケートを実施したところ、座面の高さは最大で80cmで、カゴの上端高さは最大で89cmでした。カートの座面に子どもが立ち上がったり、カゴから外へ子どもが顔や半身を乗り出したりした状態から転落した場合、頭部損傷のリスクが高く、危険であると考えられました


消費者へのアドバイス

  • ショッピングカートからの子どもの転落・転倒事故が多く発生しています。ショッピングカートの上に立つなどして転落すると頭部を損傷するリスクが非常に高く、大変危険です
  • ショッピングカートの幼児用座席以外の部分に子どもを乗せたり、ショッピングカートで遊ばせたりすると危険です。注意表示等をよく確認しましょう


業界への要望

  • 事故の未然防止のため業界全体で安全管理を行い、対策の充実を要望します


要望先

  • 一般社団法人日本スーパーマーケット協会(法人番号5010005023791)
  • 一般社団法人新日本スーパーマーケット協会(法人番号7010005018088)
  • 一般社団法人日本ショッピングセンター協会(法人番号3010005018488)
  • 一般社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(法人番号8010005004343)
  • 日本チェーンストア協会(法人番号なし)
  • オール日本スーパーマーケット協会(法人番号なし)
  • 日本チェーンドラッグストア協会(法人番号なし)
  • 大手家電流通協会(法人番号なし)
  • 日本百貨店協会(法人番号なし)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 子ども・子育て本部(法人番号2000012010019)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 母子保健課(法人番号6000012070001)
  • 経済産業省 商務情報政策局 製品安全課(法人番号4000012090001)
  • 一般財団法人製品安全協会(法人番号1010505002118)



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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