油断しないで!耳掃除−思わぬ事故につながることも−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
「綿棒で耳を掃除していたところ、綿体(軸の端に接着された脱脂綿)が軸から抜けて耳の穴に残り、病院で除去してもらった。商品に問題がないか調べてほしい。」とのテスト依頼があり、テストしたところ、綿体が水等で湿っている場合に、一定の力で引っ張ると、軸から外れてしまうものがあることが分かりました。
国民生活センターには、2010年度以降の約5年間に、耳掃除中に耳に危害を負ったという事故情報が178件(注)寄せられており(2015年12月末日までの登録分)、入院を要する大けがを負った事例も見られます。
そこで、3月3日の耳の日を前に、耳掃除中の事故についてまとめ、消費者に注意喚起することとしました。
- (注)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)及び医療機関ネットワークに寄せられた情報。
事故情報の概要
- 事故は全年代で発生しており、けがの程度や内容に年齢による傾向は見られませんでした。
- 原因となった製品は、耳かき棒が51.8%、綿棒が48.2%でした。
- 事故が発生した状況は「耳の奥を突いた、奥に入れ過ぎた」が最も多く、子どもが自分で耳掃除をしていて受傷したケースもありました。
主な事故事例
- 【事例】
- 綿棒を右耳に入れて遊んでいたところ、ソファで横になった時に奥に入れてしまい、外傷性鼓膜穿孔(せんこう)。
- (受診年月:2013年2月、2歳・女児、要通院)
- 【事例】
- 金属製の耳かきを使用中に子供がぶつかり、聴力低下を認め受診。外耳道深部と鼓膜にびらん、凝血塊あり、鼓膜後上部に穿孔を認めた。
- (受診年月:2014年9月、40歳代・女性、要入院)
消費者へのアドバイス
- 耳掃除をするときは周囲の状況に注意し、安定した姿勢・場所で行いましょう。また、耳かき棒や綿棒を奥に入れ過ぎないようにしましょう。
- 耳かき棒や綿棒を乳幼児の手が届く場所に放置しないようにしましょう。
- 子どもに耳掃除をするときは、動いたらけがをするおそれがあることを理解させましょう。動いてしまう可能性があるときは、無理に耳掃除を行わない方が良いでしょう。
- 耳掃除中のけがにより後遺症が残ることもあります。けがをした場合は直ちに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 耳の中に綿棒の綿体や耳かき棒の一部が残って取り出せなくなった場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
情報提供先
- 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会(法人番号7010405010462)
- 一般社団法人日本衛生材料工業連合会(法人番号7010405004332)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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