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[2016年2月5日:更新]
[2016年1月21日:公表]

家庭用電気マッサージ器による危害−体調を改善するつもりが悪化することも!特に高齢者は注意が必要−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)(注1)には、「電気マッサージ器」に関して、「電器店でマッサージ器を買って3日目に圧迫骨折した」「フットマッサージ器を使用していたところ、太ももが内出血した」といった危害(注2)に関する相談が253件(注3)寄せられており、増加傾向にあります。体の疲れを癒すための家庭用電気マッサージ器ですが、時には大きな事故につながる可能性があります。

 そこで、家庭用電気マッサージ器(注4)について、事故の傾向及び消費者の使用実態等の調査を実施し、トラブルの拡大防止のため、消費者に注意を呼び掛けるとともに、業界団体に要望し、関係機関に情報提供を行います。

  1. (注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと
  2. (注2)危害とは、商品・役務・設備に関連して、身体にけが、病気等の疾病(危害)を受けたもの
  3. (注3)受付年月日:2010年4月1日〜2015年11月30日。2015年12月18日現在登録分まで。
  4. (注4)今回の調査において家庭用電気マッサージ器とは、家庭用に設計された電動のマッサージ器で空気圧による圧迫機能や、もみ機能が備わったもの。なかには医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律により定められた条件を満たして、家庭用管理医療機器として家庭用電気マッサージ器や家庭用エアーマッサージ器などの認証を受けた製品を含む。
     主に内蔵される装置には、もみ機能の装置や、空気圧による圧迫装置やローラー式突起物による圧迫装置などがあり、1種類の装置のみで構成されている機器だけでなく、複数の種類の各マッサージ装置を組み合わせて構成されている機器もある。

PIO-NET危害相談の内容

被害者の属性

被害者の6割が60歳以上で女性が多い

 女性が7割(176件)、男性3割(75件)と女性が多く、年代を見ると60歳以上が全体のおよそ6割(155件)を占めています。

危害内容

神経・脊髄(せきずい)の損傷や骨折も発生している

 「体が痛い」「頭痛や吐き気がする」といった事例や、強く圧迫された部分に内出血や痣(あざ)、腫れがみられた、皮膚がすりむけた等の事例が多くみられますが、なかには「神経・脊髄の損傷」「骨折」など重篤な危害も見受けられます。

機器の形状別にみる危害件数

マッサージチェア使用中の危害が最も多い

 機器の形状別にみると、最も多かったのがマッサージチェアで83 件となっており、次にフットマッサージャー49件、ベッド型マッサージ器22件、首および肩掛け型マッサージ器19件となっています。

事故の発生場所

店舗や宿泊施設でも事故が起きている

 事故の発生場所が明らかな191件について見ると、その大半が家庭において発生していましたが、その一方、約1/4にあたる46事例が量販店等のフロアにある展示販売の場所や宿泊施設、温泉施設等に設置された機器で起きていました。



主な相談事例

マッサージチェア

【事例】
マッサージチェアを体験したら腕もみ機能で腕が腫れた。
(2015年1月受付、被害者:70歳代、男性)

フットマッサージャー

【事例】
危ないと感じて停止ボタンを押したら足が強く挟まれたまま停止した。今も足がしびれたような状態だ。
(2013年1月受付、被害者:30歳代、女性)

ベッド型マッサージ器

【事例】
販売員にマッサージ器を止めてほしいと言ったが聞き入れられなかった。背骨を痛めたため、直後からまっすぐ立てなくなり、寝返りも打てない。
(2014年4月受付、被害者:60歳代、女性)

首および肩掛け式マッサージ器

【事例】
高齢の母が使用中に肩と胸の骨を骨折した。
(2014年6月受付、被害者:80歳代、女性)


販売店・通信販売事業者に対するアンケート

製造販売業者から販売業者への安全な使い方に関する情報提供

 販売事業者は製造販売業者から安全な使い方等に関する情報提供を受け、購入者や体験者に説明するよう伝えられていましたが、使用が禁止される疾病や、弱い刺激から使用するための操作については説明を受けていないという回答もみられました。

体験・購入希望者への説明

 マッサージチェアについては、大半の販売事業者からは使用が禁止される疾病等や、弱い刺激から使用するための操作についても説明や掲示を行っているとの回答がありましたが、それ以外の機器については、ほとんど説明されていませんでした。



消費者に対するアンケート調査

  1. 使い方を知らずに使われていることが多い
  2. 使用が禁止される疾病等がある事を説明されていないことが多い
  3. 使用が禁止される疾病等がある事について店頭で掲示されていないことも多い
  4. 使用により体調に不具合を生じたという回答は1割程度
  5. マッサージチェアは中程度の刺激以上で運転が始まることも


問題点

  1. 安全な使い方が販売・体験時に消費者に十分提供されていない
  2. 消費者も適正に使うために必要な情報に積極的には触れていない
  3. 中程度の刺激から運転が始まったり、挟み込まれたまま止まることもある
  4. 危ないと感じても停止が間に合わない


消費者へのアドバイス

  1. 使用が禁止されている疾病等があるので購入や使う前には販売店や医師に確認しましょう
  2. 店舗等での体験でも事故が発生しているのでまず機器の操作方法を知りましょう
  3. 安全のため、使用する際にはまず弱の強さから始めましょう
  4. 身体に異常を感じた時には直ちに中止しましょう
  5. 利用の前には機器に外観上の異常がないか確認しましょう


事業者への要望

<製造販売業者><販売事業者等>

  1. 適正な使用のために正しい情報が伝わるよう要望します
  2. 販売員の教育の徹底を要望します
  3. 販売時に使用者には弱い刺激から使うように指導することを要望します
  4. 展示販売場所を販売事業者に貸す際にも安全に関する説明の徹底を求めるよう要望します

<製造販売業者>

  1. 弱い刺激からスタートするよう、機器の改善を要望します
  2. 一層安全な機器の開発を要望します


要望先

  • 一般社団法人日本ホームヘルス機器協会(法人番号1010005018886)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
  • 大手家電流通協会(法人番号なし)
  • 日本百貨店協会(法人番号なし)
  • 一般社団法人日本スーパーマーケット協会(法人番号5010005023791)
  • 一般社団法人日本ショッピングセンター協会(法人番号3010005018488)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 厚生労働省 医薬・生活衛生局 安全対策課(法人番号6000012070001)
  • 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医療機器・再生医療等製品担当参事官室(法人番号6000012070001)
  • 経済産業省 商務情報政策局 商務流通保安グループ 製品安全課(法人番号4000012090001)


 業界の意見 ※2016年2月5日 追加

「一般社団法人日本ホームヘルス機器協会」より

ご要望等のありましたことにつきましては、次のとおり当協会の現状と今後の対策についてご報告いたします。

1.要望内容に関する現状

  1. (1)適正な使用のために正しい情報が伝わることについて

     家庭用電気マッサージ器をご購入いただいた方には、過去にローラー式マッサージ器の誤使用による事故があったことを踏まえ、製品に「適正使用のお願い」(チラシ)を添付し、取扱説明書のとおり正しく使用していただくための注意喚起を行うよう会員企業にご協力をお願いしています。

  2. (2)販売員の教育の徹底について

     家庭用電気マッサージ器等ホームヘルス機器の販売員については、平成25年度から「ホームヘルス機器販売員資格取得セミナー」(販売員セミナー)を実施しています。この販売員セミナーは、家庭用医療機器等の販売に際し、正しい知識・情報を身に付け、健全な販売活動に役立つことを主眼に行っています。また、販売員セミナーを普及させるため、厚生労働省、経済産業省、各都道府県等にポスターを配布するとともに一般紙(読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞)に一面全15段を使用して広告掲載し、普及に努めています。
     次に、ホームヘルス機器の適正広告・表示等については、「家庭向け医療機器等適正広告・表示ガイド」を厚生労働省及び各都道府県のご指導・ご協力を得て作成し、このガイドを厚生労働省から各都道府県に対して参考書として送付いただいています。

  3. (3)販売時に使用者には弱い刺激から使うよう指導すること、(5)弱い刺激からスタートするよう、機器の改善及び(6)一層安全な機器の開発について

     家庭用マッサージ器等家庭用医療機器については、JIS(日本工業規格)を制定し、機器の性能等安全性に配慮して製造販売されています。
     また、家庭用医療機器は現在の科学技術のもと改良がなされておりますので、機器の安全性については、工業標準化法により5年ごとに見直すこととされています。

  4. (4)展示販売場所を販売事業者に貸す際にも安全に関する説明を求めることについて

     主に、店舗・施設において使用されているマッサージチェアについては、不適切な使用によっては事故やケガが起こる恐れがあるため、「マッサージチェア適正使用のお願い」注意喚起ポスターを当協会が作成し、マッサージチェアの近傍に掲示するよう会員企業に協力をお願いしています。

2.今後の対策について

(1)について
 家庭用電気マッサージ器については、引き続き、製品に「適正使用のお願い」(チラシ)を添付するように会員企業にご協力をお願いして参ります。

(2)について
 家庭用マッサージ器等を取り扱う会員には、「ホームヘルス機器販売員資格取得セミナー」を受講されるよう要請するとともにセミナーの内容の充実に努めて参ります。
 また、ホームヘルス機器の適正広告・表示ガイドの内容をより一層充実するため、改訂ガイドの作成に取り組んで参ります。

(3)、(5)及び(6)について
 ご要望については当協会の関係部会・委員会等において、JIS等の改正に向け、検討して参ります。
 JISに問題点を反映させるためには、詳細な原因究明が必要です。原因究明が不十分では再発等新たな問題も発生する可能性がありますので、詳細な原因究明のための情報提供をお願いします。

(4)について
 店舗等において使用されるマッサージチェアについては、引き続き「マッサージチェアの適正使用のお願い」注意喚起ポスターをマッサージチェアの近傍に掲示するよう会員企業に協力をお願いして参ります。

一般社団法人日本ホームヘルス機器協会 会長 稲田 二千武




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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