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[2015年8月27日:公表]

自然災害にみる消費者トラブル−被災した住宅の修理トラブルから、便乗商法まで−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 地震や台風、大雪などの自然災害が起きると、全国の消費生活センターには、それに関連した消費者トラブルの相談が寄せられます。これら自然災害に関連した消費者トラブルの相談件数は、2010年度・2011年度には東日本大震災によって急増し、2012年度以降は減少傾向にあります。

 しかし、東日本大震災に関連した相談を除いた件数は、2012年度以降も減少してはいません。

 相談の内容は、さまざまです。直接被災した人からの住宅の修理工事などに関する相談の他、旅行や航空サービスのキャンセルに関する相談など、自然災害によって間接的に発生したトラブルもあります。加えて、自然災害を口実・きっかけとして勧誘する事例も多くみられます。

 そこで、主に東日本大震災関連の相談を除いた自然災害に関するトラブルについて、内容を分析して、消費者被害の未然防止・拡大防止のため情報提供することとしました。

相談事例

【事例1】
屋根の無料点検後、このまま放置すると雨漏りすると言われ高額な契約をさせられた
【事例2】
賃貸アパートの雨漏りで家具が使い物にならなくなった
【事例3】
豪雨で雨漏りし修理してもらったがさらにひどくなった
【事例4】
大雪でカーポートが壊れたが、もともとの施工が悪かったのではないか
【事例5】
台風のため航空機が欠航したが業者と連絡がつかない
【事例6】
台風のためキャンプ場の予約を解約したら高額な解約料を請求された
【事例7】
屋根の修理工事を火災保険の保険金の額で行うと言う業者が信用できない
【事例8】
アンケートに答えたら補償金が受け取れると言われた
【事例9】
「あなたの個人情報が漏れ、自宅が避難場所になっている」という劇場型勧誘
【事例10】
高齢者施設の入居権の買い取り代金を立て替えたが、犯罪だと言われお金を請求された

相談事例からみた特徴

災害別の相談の特徴

  1. 台風:直接被害の他、広範囲にわたる交通機関の乱れによるトラブルが発生している
  2. 豪雨:雨漏り、浸水などのトラブルは繰り返し起こることが多い
  3. 大雪:雪の少ない地域では備えが薄いため、大雪になると思わぬトラブルも
  4. 地震:東日本大震災以降、人々が地震を強く意識するようになったことにつけこむトラブルが発生

商品・役務別の相談の特徴

  1. 屋根工事、修理サービス:修理内容や費用など、トラブルが最も多い
  2. 賃貸アパート、借家:被害箇所の修理をめぐって賃貸人との間でトラブルが発生することも
  3. 旅行等、航空サービス:交通機関が乱れ、旅行などをキャンセルした際にトラブルになる
  4. 建物火災保険、修理サービス:保険金申請と工事をセットで契約させるケースが目立つ
  5. 怪しい勧誘:「被災者のため」という劇場型勧誘や、投資の勧誘などもみられる

消費者へのアドバイス

自然災害に関連するトラブルには、さまざまなタイプがあることを知っておくこと

修理工事等の契約は慎重に。複数の業者から見積もりを取ったり周囲に相談したりして、すぐには決めないこと

自然災害をきっかけとしたさまざまな悪質商法に注意すること

  1. 保険金を使って無料で工事ができるという勧誘には気をつけること
  2. 被災者への親切心につけこむような怪しい話には乗らないこと

トラブルにあったとき、不安なときは消費生活センターへ相談を

情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 内閣府 消費者委員会事務局

本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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