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[2015年2月20日:公表]

医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にありません!!−「お金が返ってくるのでATMへ行くように」は詐欺です−

 市役所等の自治体や、税務署、社会保険事務所(注1)などの職員を名乗り、「医療費の還付金の手続きをする」「税金の還付金がある」などと言って、スーパーやコンビニなどのATMに誘導し、お金を振り込ませようとする不審な電話に関する相談が増加しています。

 医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にありません。

 「お金が返ってくるので、携帯電話を持ってATMへ行くように」と言われたら、還付金詐欺(注2)です。

 このような不審な電話があっても、相手の説明をうのみにせず、すぐに警察や消費生活センター等に相談してください。

  • (注1)現在、「社会保険事務所」や「社会保険事務局」という組織は存在しておらず、公的年金の業務は、日本年金機構が全国の年金事務所で行っている。
  • (注2)市役所等の自治体、税務署、社会保険事務所や年金事務所などの職員を名乗り、医療費や税金等を還付する手続きであるかのように装い、お金をだまし取ろうとする詐欺。ATMを操作させるなどして、自己の口座から相手方の口座へ現金を振り込ませるなどの手口が見られる。

PIO-NET(注3)における相談件数

 還付金詐欺に関する相談は2011年度以降急増しています。2014年度は現時点ですでに前年度を上回る2,388件の相談が寄せられており、2009年度以降の合計は6,432件になっています(図1)。

 地域別に見ると、南関東や近畿が多くなっていますが、四国や北関東なども目立っており、相談の多い地域が時期によって異なる傾向にあります(注4)。特定の自治体をかたって、その地域に居住している消費者に電話をしてくるケースが多く見られます。

図1 還付金詐欺に関する相談件数
2009年度から2014年度の年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
(2015年2月17日までのPIO-NET登録分。以下同じ)

 2009年度の相談件数は208件、2010年度は117件、2011年度は491件、2012年度は1,042件、2013年度は2,186件、2014年度は2,388件です。2013年度の2014年度と同時期の相談件数は1778件です。

 このうち、不審な電話を受けてお金を支払ってしまったという相談(注5)は166件あります。

 当事者の年代を見ると、ほとんどが60歳以上で、70歳以上で見ても約7割を占めています(2009〜2014年度受付分、図2)。

図2 年代別割合(お金を支払ってしまったという相談)(注6)
2009年度から2014年度の年代別割合(お金を支払ってしまったという相談)のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
(2009〜2014年度受付分。不明・無回答を除く。n=156)

 当事者を年代別にみると、60歳未満が3.8%、60歳代が25.0%、70歳代が56.4%、80歳以上が14.7%です。

  • (注3)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。
  • (注4)国民生活センター報道発表資料「市役所職員をかたる還付金等詐欺が再び増加!−急かしながら、スーパーやコンビニのATMへと誘導する新たな手口−」(2011年11月1日公表)参照。
  • (注5)還付金詐欺に関する相談のうち、既支払額が1円以上であることが判明しているもの。
  • (注6)割合は不明・無回答を除いて集計しており、小数点以下第2位を四捨五入しているため合計が100にならない。

最近の相談事例

【事例1】「医療費の還付金がある」と言われ、コンビニのATMで約100万円を振り込んだ
 自宅に市の福祉事務所を名乗って電話があり、「医療費の還付金のはがきを送っているが、届いていないか。12月末で締め切りになっている」と言われた。「届いていない」と答えると、「こちらで受け付けている。近くのコンビニに出かけて、ATMの前から指定の電話番号へ連絡するように」と指示された。
 コンビニで指定の電話番号に連絡し、指示されるがままにATMを操作したが、出てきた明細を見ると約100万円を振り込んだことになっており、不審に思った。自宅で待機するように言われていたので、自宅に帰って待ったが連絡がない。
(2015年1月受付、当事者:東海地方、60歳代、男性)
【事例2】「医療費の払い戻し金がある」と言われ、スーパーのATMで約50万円を振り込んだ
 市役所職員と名乗る者から「医療費の払い戻し金の通知を送ったが届いているか」と電話があった。覚えがないので「届いていない」と答えると「払い戻し金の受取り期日は今日までなので、県の社会保険事務所に電話をするように。その際はあなたの登録番号の○○○○○○(6桁の数字)を伝えるように」と言われた。
 すぐに、その電話で教えてもらった社会保険事務所の電話番号にかけて登録番号を告げたところ、「今から携帯電話と通帳、キャッシュカードを持ってATMへ行くように。近くのATMはどこか」と言われたので、「いつも利用しているスーパーのATMへ行く」と伝えて電話を切った。
 スーパーのATMに着くと、携帯電話を通じてATMの操作方法を指示され、それに従い画面のボタンを押した。「早く、早く」とせかされ、どのようにしたか覚えていないが、約50万円(登録番号として教えられた6桁の数字と同じ額)を振り込んでしまった。
(2015年1月受付、当事者:山陰地方、70歳代、女性)

消費者へのアドバイス

  • 医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にありません。
  • 「お金が返ってくるので、携帯電話を持ってATMへ行くように」と言われたら、還付金詐欺です。
  • 不審な電話があっても、相手の説明をうのみにせず、すぐに警察や消費生活センター等に相談してください。

参考


本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。