独立行政法人国民生活センター

検索メニュー

×閉じる

現在の位置:トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 調理中に取っ手が根元から破損したフライパン(相談解決のためのテストから No.68)

ここから本文
[2014年4月24日:公表]

調理中に取っ手が根元から破損したフライパン(相談解決のためのテストから No.68)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「約3年前に購入したフライパンで調理中に、突然取っ手が根元から破損した。破損した原因を調べて欲しい。」という依頼を受けました。

 当該品は、直径28cmでアルミニウム合金製のフライパンでした。当該品は、止めねじがさびており、樹脂製の取っ手がフライパン本体から折れ、折れた部分の樹脂はフライパン本体に固着していました。また、取っ手の一部は欠損しており、その位置は止めねじの折れた位置と一致していました。

 別途、同型の商品を購入して調査を行ったところ、取っ手内は中空になっており、裏側には2個の水抜き穴がありました。また、止めねじの材質を調べたところ、鉄素地に亜鉛めっきを施した後、耐腐食性処理を施した鉄ねじであることがわかりました。

 次に、取っ手の水抜きテストを行ったところ、フライパン本体を水平に置くと、フライパン本体側の水抜き穴から、取っ手内にたまった水はほぼ抜け出ることがわかりました。

 最後に、水抜き穴を塞いだ取っ手と塞いでいない取っ手を用意し、その中を水で満たして、止めねじの腐食テストを行ったところ、穴を塞いだ取っ手の方が、止めねじに赤さびが多く発生しました。このことから、当該品の水抜き穴が何らかの原因で塞がっていた可能性が考えられましたが、その部分は欠損していたため確認ができませんでした。

 これらの結果から、取っ手が破損した原因は、取っ手内に残留した水分により止めねじが腐食し、強度を保てなくなったことにより、樹脂製の取っ手に加わる負荷が増大したためと考えられました。

 依頼センターが今回のテスト結果を事業者に伝えたところ、同型品は廃番であるが、テスト結果を踏まえて、今後類似の形状をした商品を販売する際には、赤さびが発生した止めねじをステンレス製に変更するとの回答がありました。なお、事業者から相談者に商品代金が返金されました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について