折りたたみ自転車
受付番号:2023062
目的
折りたたみ自転車のフレームが走行中に破断したため転倒し、手首を骨折した。破断した原因を調べてほしい。
テスト結果の概要
苦情品の破損部である後ヒンジと後フレームの溶接部の破断面を観察したところ、後ヒンジの形状により、外観から見える溶接ビードの幅よりも実際に溶接された幅が狭かったことや、製造時に生じた多種の溶接欠陥等が複数見られたことから、新品時から溶接部の強度が低い状態であったと推察された。この状態の苦情品を使用したことで、応力が集中しやすい溶接ビードの縁のモールドや、融合不良箇所等を起点とした疲労亀裂が発生、進展し、溶接部の強度がさらに低下して最終的に破断に至ったものと推測された。なお、苦情品と同じ銘柄名で現在販売されている商品では溶接部の構造が変更されていた。苦情品と同じ溶接部の構造を有した苦情同型品が入手できなかったことから、苦情品の溶接部の問題点が、単品不良によるものか、製造時期(ロット不良)によるものかは不明であった。