独立行政法人国民生活センター理事長よりあいさつ
独立行政法人国民生活センター
理事長 山田 昭典
理事長あいさつ
独立行政法人国民生活センター 理事長の山田昭典でございます。
国民生活センターは、「国民生活センター法」に基づき1970年に特殊法人として発足し、2003年の独立行政法人の形態への移行を経て、2020年10月1日に設立50周年を迎えました。消費者行政は1968年の消費者保護基本法の制定により大きく前進し、さらに2009年の消費者庁設立以降、消費生活センターの設置や消費生活相談員の増加等の地方消費者行政の充実が行われてきました。国民生活センターは、この間、その時々の消費者問題に対応しながら、「消費者問題・暮らしの問題に取り組む中核的な実施機関」として「国民生活の安定と向上」に向けて取り組んで参りました。
国民生活センターの業務は多岐にわたりますが、商品やサービスの取引等に関して、消費者トラブルの未然防止、巻き込まれたトラブルの解決に向けた支援がその根幹にあります。そうしたトラブルとして全国の消費生活センター等に寄せられる消費生活相談件数は、ここ数年約90万件程度で推移しています。「消費者問題は社会を映す鏡」ともいわれるように、消費行動の変化により消費者トラブルも変化し、IT機器やインターネットを経由した取引にかかわるものが目立っています。例えば、SNSをきっかけとした定期購入トラブルや副業・投資関連トラブル、オンライン美容医療に関するトラブルも寄せられています。特に、新型コロナウイルス感染症拡大で取り入れられつつある「新しい生活様式」の中で、インターネットを利用した通信販売のトラブルも増加しています。国民生活センターでは、こうしたIT・ネットワーク社会の拡大に即応したトラブルへの対応支援を拡充しています。
また、近年、地震、水害といった自然災害が多発していますが、こうした機に乗じて、高額・不必要な工事などを押し付ける商法が見受けられます。新型コロナウイルス感染症関連では、ウイルスに対する不安に付け込んで効果に疑問のある商品が販売されたり、ワクチン接種に便乗して金銭や個人情報を要求したりする行為が散見されています。国民生活センターでは、これらの行為に対し、商品テストの結果を公表するほか、緊急時の消費者相談に対応するためにホットラインを設けるなどして、機動的に対応しています。
このように時代の変わり目ともいえる今、高齢者への見守りや子どもの安全確保も含め、国民生活センターが正確な情報、有益な情報を携えて、各地消費生活センター等への支援や行政機関等への要望・情報提供、消費者に対する注意喚起情報の発信を的確に行うことが、一層重要となっています。
国民生活センターは、今後とも消費者被害の未然防止・拡大防止に努めてまいります。引き続き、皆様方のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
主な経歴等
氏名
山田 昭典(やまだ あきのり)
経歴
- 昭和56年3月
- 一橋大学法学部卒業
- 昭和56年4月
- 公正取引委員会事務局 入局
- 平成12年7月
- 公正取引委員会事務総局
- 経済取引局取引部消費者取引課景品表示監視室長
- 平成13年7月
- 審査局第三審査長
- 平成15年4月
- 実践女子大学生活科学部非常勤講師(〜平成22年3月)
- 平成15年7月
- 経済取引局企業結合課長
- 平成17年6月
- 審査局管理企画課長
- 平成19年6月
- 経済取引局総務課長
- 平成21年6月
- 審査局犯則審査部長
- 平成23年1月
- 審査局審査管理官
- 平成26年1月
- 官房総括審議官
- 平成26年7月
- 審査局長
- 平成28年6月
- 経済取引局長
- 平成29年7月
- 事務総長
- 令和2年1月
- 辞職
- 公正取引委員会顧問(〜令和2年9月)
- 令和2年10月
- 独立行政法人国民生活センター理事長