独立行政法人国民生活センター

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独立行政法人国民生活センター理事長よりあいさつ

平成31年4月更新


理事長あいさつ

1 平成の30年間

 まもなく平成が終わり、新しい令和という時代が始まります。来年、当センターは設立50周年を迎えることとなりますが、平成の30年間は、当センターの歴史のうちの6割を占めていたことになります。

 平成のスタート時点はバブル経済のまっさかりの時期でした。その後、インターネットやスマートフォンの普及などのネット化の進展、社会の高齢化を上回る率での高齢者被害の増加、訪日観光客や越境電子商取引の増加というリアルとバーチャルの両面での国際化の進展が見られます。また、資産形成・金融被害では、当初は、原野商法や変額保険が社会問題化しましたが、現在は、当時の原野商法被害者の二次被害、高齢者の3K不安(金・健康・孤独)につけ込むレンタルオーナー商法などますます巧妙化しています。

 このような状況の変化に応じて、当センターも様々な情報提供を行い、また、業務の追加や再編をしてきました。今後も、消費生活の安全・安心にかかわる問題についてアンテナを張りめぐらし、迅速に対応していきます。

2 PIO-NETの刷新

 PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)は、全国の消費生活センターをつなぎ、年間90万余件の消費者からの相談情報が蓄積されるシステムです。迅速かつ効果的な相談対応に使われているだけではなく、消費者政策の立案、立法や法執行のための基礎データとしても活用されています。いわば、PIO-NETは消費者行政の神経系にあたります。

 今年度の大きな課題は、このPIO-NETシステムの刷新です。今回の刷新では、第1に、事業者名の名寄せ機能を取り入れて、現場の入力負荷を軽減するとともに、相談情報の精度を高め、法執行の支援を強化します。第2に、システム面において、データセンター保管を拡充することでデータ消失や情報漏えいリスクの低減を図るとともに、大規模災害に強く、セキュリティ面でも強固なシステムとします。

 さらに、AI技術等の活用もPIO-NETの今後の課題になります。

3 若年者への消費者教育

 成年年齢が2022年4月1日に18歳に引き下げられるのに備えて、消費者教育推進会議は「若年者の消費者教育分科会取りまとめ」(2018年6月)を公表しました。これを受け、2018年7月に改定された「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム」(若年者への消費者教育の推進に関する4省庁関係局長連絡会議決定)では、若年者向け消費者教育の様々な担い手への教育研修を行うことが当センターに求められています。

 その中で、教員免許状の更新講習において、消費者教育を学ぶ機会を提供することなどが挙げられています。当センターでは、今年度からいくつかの大学と協力しながらこの事業を進めています。

4 若年者からの情報アクセス

 当センターでは、昨年、スマートフォンでも見やすいようにホームページを大幅にリニューアルしました。さらに、今年の3月には、10代や20代の若者の被害が目立っている「デート商法」を題材に、恋愛シミュレーションゲーム風の啓発用動画を作成し、公開したところ、好評で多数のアクセスがありました。これからも、若年者への効果的な情報の届け方について、工夫をしていきます。

5 相談対応の多様化

 当センターでは、電話相談、メール相談(越境消費者センター)、通訳を挟んだ三者間通話での電話相談(訪日観光客消費者ホットライン)など多様な手段での消費者からの相談受付を行っています。訪日観光客消費者ホットラインは、昨年開始したもので、その周知とともに、将来的には対応言語(現在、日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語)の拡大を目指します。

 引き続き、消費者・消費者団体、事業者・事業者団体、行政関係者、研究者・専門家のみなさまのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

理事長松本恒雄の写真

主な経歴等

氏名

松本 恒雄(まつもと つねお)

経歴

昭和49年 3月
京都大学法学部卒業
昭和52年 3月
京都大学大学院法学研究科博士課程中退
昭和52年 4月
京都大学法学部助手
昭和54年 4月
広島大学法学部助教授
昭和62年 4月
大阪市立大学法学部助教授
平成3年 4月
一橋大学法学部教授(後に、大学院法学研究科教授)
平成9年 5月
Board Member, International Association for Consumer Law
平成13年 1月
日本工業標準調査会消費者政策特別委員会委員長(〜平成21年12月)
平成13年1月
厚生科学審議会委員(〜平成21年11月)
平成13年1月
司法試験(第二次試験)考査委員(〜平成22年11月)
平成15年 9月
東京都消費生活対策審議会会長(〜平成24年5月)
平成17年 6月
消費経済審議会会長(〜平成19年2月)
平成17年 10月
国民生活審議会消費者政策部会長(〜平成21年8月)
平成19年 2月
産業構造審議会割賦販売分科科長・消費経済部会長(〜平成25年3月)
平成20年 2月
消費者行政推進会議委員(〜平成20年6月)
平成20年 11月
日本消費者法学会理事長(〜平成26年11月)
平成21年 2月
カンボジア政府友好勲章
平成21年 4月
一橋大学法科大学院長(〜平成23年3月)
平成21年 9月
内閣府消費者委員会委員長(〜平成23年8月)
平成21年 11月
法制審議会民法(債権関係)部会委員(〜平成27年2月)
平成22年 11月
工業標準化経済産業大臣表彰
平成24年 1月
東京都消費者被害救済委員会会長(〜平成25年12月)
平成24年 11月
国民生活センター紛争解決委員会委員長(〜平成25年7月)
平成25年 5月
消費者支援功労者内閣総理大臣表彰
平成25年 8月
独立行政法人国民生活センター理事長
平成26年 10月
日本学術会議会員・法学委員会委員長
平成27年 4月
一橋大学名誉教授