医療機関からの事故情報収集
消費者が事故にあい医師の診察した結果も踏まえた情報を早期に把握し、事故の再発・拡大防止に向けた消費者への注意喚起、製品改善の働きかけ等に活用するため、医療機関ネットワーク事業を行っています。
医療機関ネットワーク事業とは
医療機関ネットワーク事業は、消費生活において生命または身体に被害が生じた事故情報を、事業に参画する医療機関から収集し、同種・類似事故の再発・拡大防止を図ることを目的として、平成22年12月から運用が開始された、消費者庁と国民生活センターの共同事業です。
参画医療機関に掲示されているポスター
医療機関から寄せられた事例をもとにした発表情報
医療機関から寄せられた事例をもとに商品テストや調査を行い、情報提供を行っています。
2025年度
- 電動工具の事故に注意!(2025年4月23日)
- 丸のこを使用中、キックバックが発生し、右足に刃が当たり受傷。骨折あり。
- (事故発生年月:2020年4月、60歳代 男性)
2024年度
- 坂道や道路でのペダルなし二輪遊具の事故に注意!(2025年3月19日)
- 保護者がきょうだいのベビーカーを押して横断歩道を渡っていた。後ろから患児がペダルなし二輪遊具にまたがってついて来ていた。保護者が横断歩道を渡りきって振り返ると、左折した乗用車にぶつかった音が聞こえ、患児が路上に倒れ、頭部から出血していた。
- (事故発生年月:2020年3月、4歳3カ月 女児)
- 抱っこひもからの子どもの落下に注意!−生後数カ月の子どもが頭蓋内損傷などの重篤なけがを負っています−(2025年3月19日)
- 保護者が抱っこひもで子どもを抱っこしていた。やや前屈みになって両手を洗っていたところ、脇の部分からすり抜けて落下した。装着した後にサイズの調整をしておらず、緩いと思っていた。
- (事故発生年月:2023年10月、0歳3カ月 女児)
- 球形のチーズによる子どもの窒息に注意!−1歳児の死亡事故が発生しました−(2024年12月20日)
- 子どもに1人で球形のチーズを食べさせていたところ、急にむせ始めた。泣き声は出ていたがかすれ声で、顔色も悪くなっていたため救急車を要請した。保護者が背後から腹部突き上げ法を行ったが何も出てこず、口の中に指を入れて掻き出したところ、ドロドロのチーズの小片がいくつか出てきて、顔色も良くなった。
- (事故発生年月:2024年3月、1歳10カ月 女児)
- 刈払機(草刈機)の作業中の事故に注意!(2024年8月21日)
- 同僚の草刈り作業が終わったと勘違いして同僚に近づき刈払機にて受傷。右下腿、膝下5cmに15cm程度の挫創あり。
- (事故発生年月:2019年4月、40歳代 男性)
- ヘアアイロンによる子どものやけどに注意!(2024年8月7日)
- 電源が入った状態のヘアアイロンを洗面台の上に置いていた。歯磨き中の母の横にいた子どもがコードを引っ張り、ヘアアイロンが子どもの腕に落下した。左手背、左前腕をやけどした。
- (事故発生年月:2023年11月、1歳6カ月 男児)
- 子どものボタン電池の誤飲事故に気をつけましょう!−電池の放電によるアルカリで消化管が損傷します−(2024年7月31日)
- 自宅で子どもが突然泣き出し、本人がボタン電池を誤飲したと申告。近医受診しX線検査で胃内に異物が認められ当院受診。上部内視鏡検査で1.5cm大のボタン電池を認め、摘出した。絵を描くおもちゃの電池のふた(ネジ止めなし、パカッと外せるタイプ)が壊れて落ちており、しまっていたおもちゃ箱の中に電池だけ外れて落ちていたようだ。
- (事故発生年月:2024年4月、5歳 男児)
- 自転車後部に同乗中の子どもの事故に注意!−障害物と接触して大腿骨を骨折する事故も−(2024年5月29日)
- 保護者の運転する電動アシスト自転車後部の幼児用座席に乗っていた。右側に寄ったところ、子どもの右足とガードレールが接触して受傷した。足を置くところから足を出してぶらぶらさせていたところを後ろから兄が目撃していた。右大腿骨遠位部骨折。約3週間入院。
- (事故発生年月:2023年11月、4歳 女児)
2023年度
- なくならない洗濯用パック型液体洗剤による事故−子どもだけでなく高齢者が誤って口に入れる事故も発生−(2024年3月13日)
- 認知症のある高齢者が、自宅の洗面所に置いてあった洗濯用パック型液体洗剤を1〜2個食べてしまった。嘔吐と下痢が続き、病院に搬送された。洗剤による界面活性剤中毒から誤嚥性肺炎となり、入院し、その後人工呼吸管理が必要となった。
- (受診年月:2023年5月、70歳代 男性)
- 合成カンナビノイド「HHCH」は指定薬物です!−「HHCH」が含まれていたグミ等を摂取して救急搬送−(2023年12月13日)
- 飲酒した後にHHCHグミを1個食べたところ、脱力、手足のしびれ、嘔気・嘔吐の症状が出現し、救急搬送された。
- (受診年月:2023年11月、20歳代 男性)
- カンナビノイド「THCH」は指定薬物です!−THCHを含む商品を入手したり使用したりしてはいけません−(2023年9月6日)
- THCHグミを食べた後に気分が悪くなり、幻視(視覚領域に現れる幻覚)が見えると訴えたため、救急搬送された。
- (20歳代 女性)
- 自転車と特定小型原動機付自転車で着用が努力義務化された乗車用ヘルメット−安全性に係る規格等への適合状況と1歳未満の子どもの着用について−(2023年7月12日)
- 自転車で走行中、反対方向から走行してきた2トントラックのドアミラーと衝突し転倒した。ヘルメットなし。左前頭部に擦過傷あり、後頭部に擦過傷あり。左下顎骨(がっこつ)骨折あり。口唇裂創あり。
- (事故発生年月:2023年3月、10歳0カ月 男児)
- 花火による子どものやけどに注意しましょう−3歳以下の子どもの事故が多く発生、着衣に着火した事例も−(2023年6月14日)
- 花火を振り回し、直後に風で火花がスカートに飛んで着火し、燃え上がった。保護者がはたいても火が消えず服を脱がせた。右太ももにⅠ度〜Ⅱ度の熱傷。水疱は破れていた。
- (事故発生年月:2021年9月、6歳8カ月 女児)
2022年度
- スライサーで指先にけがをする事故が多発!(2023年1月18日)
- ボウルの上にスライサーを置き、キャベツを半分に切って調理していたが、そのスライサーを使用するのが初めてであり、食材が半分くらい残っていたのでまだ大丈夫と思い、安全ホルダーを使用していなかったところ、思いのほか食材が切れる速度が速かったため、指を受傷した。
- (事故発生年月:2022年5月、60歳代 女性)
- なくならない乳幼児による加熱式たばこの誤飲に注意−最近では金属片が内蔵されたスティックの誤飲も−(2022年12月21日)
- 子どもが茶色いものを嘔吐(おうと)し、涙目になっていることに気付いた。吸い口は折れて吐き出してあり、たばこ葉の入った部分はぐちゃぐちゃに吐き出してあった。父親は、吸い終わったたばこを本体に挿したままソファの座面に置いていたとのことであり、子どもが本体から抜いて口に入れたと思われる。
金属片がなくなっていることに気付き、顔色が真っ青になっていたため緊急外来を受診。レントゲンで胃内に金属片を認めた。経過観察後帰宅。金属片は翌朝自然排出された。なお、母親は金属片が入っていることは知らなかったようである。 - (事故発生年月:2022年6月、10カ月 男児)
- こどもを抱っこして自転車に乗ることは危険です−転倒・転落によりこどもが頭部に重篤なけがをすることも−(2022年11月16日)
- 保護者が自転車で抱っこひもを装着して走行中に転倒した。保護者は抱っこひもにこどもを対面抱っこでゆっくりと走行。風にあおられた際に自転車が右に倒れ、保護者は前のめりに倒れた。地面はコンクリート。とっさに保護者がこどもの後頭部を抑えたが、抑えきれず右頭部を打撲した。こどもは頭部打撲後すぐに泣いた。受診日にこどもの活気は見られたが、後頭部に陥没あり。頭蓋骨骨折で7日間入院となった。
- (事故発生年月:2022年2月、7カ月 男児)
- 樹脂製の折りたたみ式踏み台での指挟みに注意−乳幼児が手指の先を切断する事故が発生しています−(2022年10月5日)
- 自宅で児が折りたたみ式踏み台を触っていたため年上のきょうだいが踏み台を横に引っ張った。保護者が注意すると、きょうだいがより強く引っ張ってしまい踏み台が折りたたまれて、踏み台の側面上部に児の右手示指が挟まれ切断された。
- (事故発生年月:2021年12月、1歳2カ月 男児)
消費者庁からの情報
病院長会議、担当者等研修会
医療機関ネットワーク事業では、以下の会議を開催しております。
医療機関ネットワーク病院長会議
- 目的
- 事業の推進上の課題や事業拡大へ向けた情報活用などの意見交換
- 対象者
- 病院長
- 主催
- 消費者庁消費者安全課
担当者等研修会
- 目的
- 具体例を交えた収集実務の説明と意見交換等
- 対象者
- 担当者、責任者、院内の情報収集協力者等
- 主催
- 国民生活センター商品テスト部
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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