フリマアプリで購入した商品が届く前に、相手から「先に出品者の評価をして」と持ちかけられた
質問
フリマアプリで有名ブランドの財布を購入し、代金を支払いました。「出品者の評価をしてくれたら、すぐに商品を発送する」と取引の相手から連絡がありました。まだ商品は届いていませんが、出品者の評価をしてもよいでしょうか?
回答
商品受取前に出品者の評価をする・させることは、フリマサイトやフリマアプリなど、フリーマーケットサービス(以下、フリマサービス)の利用規約等で禁止されている場合があります。「代金を支払ったのに商品が届かない」などのトラブルが起こることがあるので、出品者から求められても応じないようにしましょう。事前に利用規約等をよく確認し、禁止されている行為は絶対に行わないようにしましょう。
解説
フリマサービスと個人間のトラブル
インターネット上で個人同士が取引をするフリマサービスの利用が広がる中、全国の消費生活センター等に寄せられる相談が増加しています。
トラブルを未然に防止するため、大手のフリマサービス運営事業者では、自社を介して商品代金を支払う仕組み(エスクローサービス)や、禁止行為などが設けられています。
ただし、取引をするかどうか、信頼できる相手かどうかは、利用者が自らの責任で判断する必要があります。また、多くのフリマサービスが、トラブルが起こってしまった場合に、当事者間で自己解決を図ることを利用規約で定めています。自己責任の心構えが欠かせないことを、よく理解した上で利用しましょう。
エスクローサービスとは
「代金だけを受け取って商品を発送しない」、「商品を送ったのに代金が入金されない」といったトラブルを防ぐため、エスクローサービスという決済サービスの導入が進んでいます。
エスクローサービスとは、出品者(売り手)と購入者(買い手)の間にフリマサービス運営事業者が入っていったん代金を預かり、購入者が商品を受け取ったことが確認できてから、出品者に商品代金が支払われる仕組みのことです。購入者が商品を受け取ったことを確認する方法として、フリマサービス上で出品者の評価を行い、併せて商品受取の通知をするというやり方が一般的になっています。
トラブルにあわないために
質問事例のように、購入者が商品受取前に出品者の評価をした場合、実際には商品が届いていなくても、商品を受け取ったとみなされ、出品者は商品を発送しなくても売上代金を入手できてしまう可能性があります。もしもこのようなトラブルが起こっても、商品受取前に出品者の評価がされていれば、フリマサービス運営事業者による対処が難しくなります。
相手から持ちかけられたことに安易に応じず、利用規約等をよく確認し、禁止されている行為(注)は絶対に行わないようにしましょう。
(注)主な禁止行為の例
- フリマサービスが用意する決済方法を用いない取引をすること
(例)相手が指定した銀行口座へ直接振り込みをすること - 出品者が、購入者の支払いが確認できないうちに、商品を発送すること
- 購入者が、商品が届いていないのに、先に出品者の評価をすること
トラブルになった場合には、まずは十分に当事者間で話し合いをしましょう。トラブルが解決しない場合には、フリマサービス運営事業者に事情を伝え、調査等の協力を得られないか確認してみましょう。それでも交渉が進まない場合は問題点の整理等を行うため最寄りの消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談しましょう。