医療機関ネットワーク事業情報からみた高齢者の家庭内事故
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
医療機関ネットワーク事業では、2010年12月の情報収集開始以来、家庭内での事故を含む消費生活上の事故に関するデータを継続的に蓄積しています。この資料は、2020年度以降、参画医療機関より寄せられた事故情報のうち、65歳以上の高齢者の家庭内事故情報923件を対象に、その分析結果をまとめたものです。
高齢者の家庭内事故に関しては、2013年に当センターが注意喚起を行いましたが、今回の分析により、事故の構造や発生状況が2013年当時と大きく変化していないことが改めて確認されました。このことから、高齢者の家庭内事故に対するリスクは依然として継続しており、改めて注意喚起を行う必要があることがわかりました。
特に「事故のきっかけ」、「危害症状」、「治療の必要性」に着目し、その原因解析を行うとともに、年齢層別の特性(65歳以上75歳未満と75歳以上)を比較分析することで、高齢期の多様なリスク要因を明らかにし、実態に基づいた効果的な予防策について、事故の再発防止のため、消費者に注意喚起することとしました。
事故情報
- 自宅内でスリッパが脱げ、靴下が滑って転倒。橈骨遠位端(とうこつえんいたん)を骨折し、複数の骨片が見られた。
- 高さ1mのはしごに乗って庭仕事をしていた際、バランスを崩し、転落した。急性硬膜下出血あり。
- ストーブの前で居眠りをしてしまい、やかんの蒸気で顔面に熱傷を負った。両目とも瞼の腫れで開眼も難しくなり、腫れが引くまで入院となった。
- 柔軟剤を誤飲したことによる重症肺炎。柔軟剤をペットボトルに入れ替えて使用していたため、間違えて飲んでしまった可能性がある。
消費者へのアドバイス
身体機能の衰えと住環境の危険を知り、対策をしましょう
転倒防止には、筋力維持の運動と転倒防止のための住環境の改善が必須です。
屋外での高所作業のリスクを知り、安全対策を徹底しましょう
高所作業は転落事故の危険性があります。補助者と保護具を使いましょう。無理せず専門業者へ依頼するのも選択肢の1つです。
熱さへの感覚の鈍化を知り、やけど事故に注意しましょう
感覚の鈍化により危険の認識が遅れます。湯温確認や調理中の注意を怠らず、周囲の見守りが重要です。
誤飲・誤嚥につながる身の回りの危険に注意しましょう
洗剤や薬は誤飲すると重大な被害につながります。元の容器で管理し、餅などの食品は小さく切って食べましょう。
情報提供先
- 消費者庁(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会(法人番号2000012010019)
- 厚生労働省(法人番号6000012070001)
- 一般社団法人日本老年医学会(法人番号6010005004493)
- 一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会(法人番号8180005016974)
- 公益財団法人長寿科学振興財団(法人番号2180005014067)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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