独立行政法人国民生活センター

検索メニュー

×閉じる

現在の位置:トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 機能に問題のあった家庭用散髪器具(相談解決のためのテストからNo.154)

ここから本文
[2021年5月13日:公表]

機能に問題のあった家庭用散髪器具(相談解決のためのテストからNo.154)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「家庭用散髪器具をはじめて使用したところ、散髪することができない。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品はバッテリーにて駆動するハンディタイプの家庭用散髪器具であった。刈刃を観察したところ、重なって取り付けられた2枚のくし形の刃のうち、上の刃が電動で往復して、下のくし形の刃との間に入った髪の毛をカットするものでした。

 相談者によると、当該品を購入後、初めて使用したとき、取扱説明書どおりに髪の毛を切ろうとしたが髪の毛が引っ張られて切れなかったとのことでした。

 当該品を使用し、頭部に人毛が植え付けられた散髪練習用マネキンで散髪テストを行いました。取扱説明書の指示どおり、クシでとかすように髪の毛の流れ方向に動かしたところ、髪の毛が刈刃に当たる感触が乏しく、100回動かしてもほとんどカットされませんでした。また、髪の毛の流れ方向に逆らって動かしたところ、髪の毛が刈刃に当たるようになりましたが、髪の毛が刈刃に引っ掛かりスムーズに動かすことが難しく、1回の動作で切れる髪の毛の量も少ないものでした。襟足を中心に約100回動かしたところ、散髪することはできましたが、髪の毛の末端は引きちぎられたようにギザギザになっていました。なお、別途購入した同型品の散髪テストでも同様な結果でした。

 次に、用途と価格が当該品と同等で、刈刃の構造が類似した参考品を用いて、散髪テストを行いました。取扱説明書の指示どおり、髪の毛の流れに逆らって動かしたところ、髪の毛が刈刃に引っ掛かることなく、スムーズに散髪することができました。襟足を中心に6回動かしたところ、散髪することができ、髪の毛の末端はギザギザな部分などはみられず、きれいに切断されていました。

 以上、当該品の散髪器具としての性能は十分なものとは言い難いものでした。

 依頼センターがテスト結果を事業者に説明したところ、製造工場にテスト結果を伝え、改善依頼を行ったとの回答がありました。なお、相談者には商品代金が返金されました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について