[2017年7月20日:公表]
刈払機(草刈機)の使用中の事故にご注意ください!
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
夏場を迎え、刈払機(かりはらいき)や草刈機(動力で高速回転する刃により草を刈り払う機器、以下「刈払機」といいます。)を使って家庭の庭木の手入れなどを行う機会が多くなります。
消費者庁には、刈払機を使用中に指を切断、骨折したなどの事故情報が平成21年9月から平成29年6月末までに計140件寄せられています。被害に遭われた方の約半数は60歳以上です。
刈払機はホームセンターやインターネットなどで個人でも簡単に購入することができ、手軽に使える便利な機器です。しかし、鋭利な刈刃がついており、使用中は高速で回転するため、慎重に取り扱わないと指や脚などの骨折や切断などといった取り返しのつかない重篤なケガにつながる危険性があります。
刈払機を使う際は特に以下の点に気を付けましょう。
- ヘルメット、保護メガネや防振手袋など、保護具を必ず装着し、事前に機器の点検を行ってから作業をしましょう。
- 作業をする場所に、小石や枝、硬い異物などがないか確認し、除去を行ってから作業を開始しましょう。
- 障害物や地面などにぶつかって起きる刈刃の跳ね(キックバック)に注意しましょう。
- 刈刃に詰まった草や異物を取り除く際は、必ず機器を止めてから行いましょう。
- 作業者の家族や周囲の方は、作業者が安全対策をきちんと行っているか一緒に確認し、作業中も作業者に変わったことがないかを常に意識するようにしましょう。
動画【YouTube】
飛散物についてのテスト結果
回転する刈刃が石などの異物に接触すると、接触した異物や破損した刈刃の破片が飛散し、作業者自身や周囲の人に当たってケガをさせたり、物に当たって破損させたりすることがあります。
エンジン式の刈払機を使用して、刈刃(4枚刃、8枚刃、チップソー、ナイロンコードカッター)に異物(約20〜30mmの石)を接触させた際の、飛散距離及び飛散速度を調べました。また、飛散物の威力を知るための参考として、自動車に衝突させて破損の程度を調べました。
- 各刈刃の最長の飛散距離は4枚刃が約67.8m、8枚刃が約30.2m、チップソーは今回の条件では飛散せず、ナイロンコードカッターが約16.9mでした。
- 各刈刃の飛散速度は、4枚刃が約130km/h、8枚刃が約76km/h、チップソーは今回の条件では飛散せず、ナイロンコードカッターが約48km/hでした。
- 4枚刃、8枚刃では、石が刃の間に入りやすく、飛散距離及び飛散速度が大きくなりました。
- チップソーでは、石が刃の間に入りにくく、飛散しにくいという傾向が見られました。しかし、刃の間に入るほど石が小さい場合、高速で飛散するほか、刃の先端(チップ)が破損して周辺に飛散することもあります。
- ナイロンコードカッターでは、ナイロンコードが石に接触すると大きく変形するため、飛散距離及び飛散速度は小さい値でしたが、周辺の砂等が周囲に飛び散ることがありました。また、ナイロンコードをマネキンに接触させても、金属製の刈刃のように切り裂かれることはありませんでした。
- 刈払機(4枚刃を装着)から10m離れた位置に停車した自動車に、飛散物(20〜30mmの石)を衝突させたところ、塗装部の剥離や変形が生じたほか、ウインドーガラスが破損することがありました。
テスト結果からのアドバイス
刈払機からの飛散物による事故を防止するためには特に以下の点に気を付けましょう。
- 近くに人がいる場所や、自動車や家屋の近くで作業する場合は、十分な飛散防止対策を講じてください。また、刈払機で作業中の人には近づかないでください。
- 飛散防止カバーを確実に取り付けるとともに、必ず保護具を装着して作業してください。
- 異物が多い場所では、積極的にナイロンコードカッターを使用するようにしてください。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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