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[2023年12月13日:公表]

測定値が低く表示された電子体温計(相談解決のためのテストからNo.182)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。


依頼内容

 「電子体温計を使用すると、他の銘柄よりも体温が低く表示される。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

調査

 当該品は、予測検温(短時間で体温を予測する機能)及び実測検温(体温の測定値が平衡温度になるまで計測する)機能を備えた、脇に挟んで使用する電子体温計で、相談者によると、熱のある子どもの体温を予測検温機能で測定したところ、他の銘柄の同様な電子体温計よりも測定値が低く出るとのことでした。

 当該品の外観やX線による調査の結果、特に異常はみられず、取扱説明書の手順どおりに操作したところ、予測検温、実測検温とも動作に異常はみられませんでした。また、JIS T 1140「電子体温計」を参考に、恒温水槽を用いて、水槽温度が33.0℃、37.0℃、41.0℃のときの温度測定(実測検温)を行ったところ、誤差は±0.1℃以内で、問題はみられませんでした。

 次に、当該品を用いて、取扱説明書に記載された測り方で、複数名のモニターにより予測検温と実測検温の測定値を調べたところ、両者に大きな差はみられませんでした。そこで、誤った測り方として、当該品の電源を入れてから測定準備が完了状態になる前に脇に挟んで予測検温を開始したところ、正しい測り方よりも低めの測定値となりました。なお、当該品は電源を入れてから測定準備が完了状態になるまで、数秒待つ必要がありました。

 当該品の取扱説明書や当該事業者のウェブサイトには、測定準備が完了状態になった後に測定を開始しないと予測検温が正しく行われないおそれがある旨の記載がみられました。

消費者へのアドバイス

 電子体温計には短時間で体温を予測する予測検温機能を有した商品が多くみられますが、測定準備が完了状態になる前や、その表示を確認せずに測定を開始すると、正しく検温できないことがあります。取扱説明書の測定手順をよく確認して正しく使用し、より正確な検温を行う必要がある場合には実測検温を行うようにしましょう。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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