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[2022年11月30日:公表]

電熱ウェアの異常発熱に注意−衣服の焼損、やけどを負った事例も−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 近年、モバイルバッテリーなどを用い、衣服に内蔵された電熱線を発熱させて温める防寒具が普及しています。ジャケット、ベスト、パンツをはじめ、グローブや靴下などもあり(以下、これらを「電熱ウェア」とします。)、テレビやインターネットの通信販売、ホームセンターなどで目にする機会が増えています。

 PIO-NETには、電熱ウェアについて、品質・機能に関わるものや危害・危険に関する相談が、2017年4月〜2022年9月末までの5年半の間に228件寄せられており、そのうち7割以上がジャケットやベストに関するものでした。

 そこで、電熱ウェアのジャケットやベストについて、危害・危険につながる異常発熱に関するテストを行い、消費者へ注意喚起することとしました。

写真.電熱ウェア(ジャケット)の一例
電熱ウェア(ジャケット)の一例の写真。左側の写真は電熱ウェア(ジャケット)の胸元部分に電源スイッチと温度切替があることを、右側の写真は電熱ウェア(ジャケット)の背中部分に発熱体が内蔵されている様子を表している。


電熱ウェアとは

 電熱ウェアは、ジャケットやベスト、ブルゾンなどの衣服に、電熱線による発熱体を内蔵させた商品です。このほかにも、着脱可能な発熱体を衣服の専用ポケットに入れるタイプもあります。商品ごとに発熱体の構造や大きさ、位置や数はさまざまですが、背中や襟などに配置されて、胸元などにあるスイッチで電源のON/OFFや、温度を切り替えられるものが多くみられます。

PIO-NETに寄せられた相談事例

危害・危険に関する事例

  • 電熱ベストを使用していたら首元が焦げて穴が開いた。
  • パジャマの上に着用したところパジャマが焦げてしまった。

品質・機能に関する事例

  • 加熱の具合が良くなく、いつまでたっても温かくならない。
  • 1週間前に通販で買った電熱ベストの電源がすぐに落ちて温かさが続かない。

消費生活センターの依頼により実施した商品テスト事例

 消費生活センターから依頼を受け商品を調査したところ、いずれも異常発熱により商品が損傷したというものでした。

テスト結果

発熱体の構造調査

  • 商品によって使用されている部品の構成や形状に違いはありましたが、発熱の仕組みに目立った差異はみられませんでした。

使用中、異常に発熱する状況を模したテスト

  • 断線部同士が不安定に接触した状態で通電したところ、接触部分の温度が200℃まで上昇することがありました。
  • 発熱体周囲の温度が高いと、発熱体の温度も高くなる傾向がみられました。

表示の調査

  • 折りたたまずに保管するなど、電熱線等に負荷をかけないようにする旨の記載がみられました。
  • 他の暖房機器の近くや布団の中など、高温になる環境では使用しない旨の記載がみられました。
  • 防水機能は有していないほか、濡れた状態での使用を禁止する旨の記載がみられました。

消費者へのアドバイス

  • 電熱ウェアは衣服に暖房機能を持たせた電気製品です。丁寧に扱い、異常を感じたらすぐに使用を中止しましょう。
  • 取扱説明書及び本体の注意表示をよく読み、理解してから使用しましょう。
  • 製造元や販売元、仕様が明示された商品を購入しましょう。

動画

動画イメージ写真 電熱ウェアの外観の様子
動画:電熱ウェアの異常発熱に注意

啓発資料

事業者への要望

  • 異常が生じた際に通電を停止する機能など安全に配慮した商品開発を要望します。

情報提供先

  • 消費者庁(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会(法人番号2000012010019)
  • 経済産業省(法人番号4000012090001)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
  • 一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会(法人番号8010005004343)
  • 日本チェーンストア協会(法人番号なし)
  • オンラインマーケットプレイス協議会(法人番号なし)

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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