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[2021年10月8日:公表]

未成年の子どもが成人と偽ってゲームに課金した

質問

 未成年の子どもが、オンラインゲームの年齢確認画面で「20歳以上」というボタンを押して、ゲーム内のコインをたくさん購入してしまいました。返金してもらえないのでしょうか。

回答

 プラットフォーム事業者(注)に、未成年者による課金だということを申し出ましょう。プラットフォーム事業者から返金されない場合は、ゲームの提供会社に問い合わせをすることもできます。

 なお、未成年者が「成人である」と偽って課金しているため、子どもによる課金と判断できず、返金されないことがあります。また、民法における「未成年者取消権」も認められない可能性があります。

  • (注)インターネット上でゲームコンテンツを配信するとともに、有料コンテンツの取引の場を運営する事業者。

解説

オンラインゲームの年齢確認の仕組み

 オンラインゲームでは、年齢によって課金の上限額を定め、未成年者がお金を使い過ぎるのを防ぐ仕組みを設けていることがあります。

 ゲームにより年齢確認の方法は異なりますが、例えば、課金をする際に年齢の区分ごとにボタンが表示され、自分の年齢に該当するボタンを選択するというものがあります。多くの場合、未成年者は上限額が定められていますが、成人であれば無制限に課金をすることができるようになっています。

事業者への問い合わせ

 オンラインゲームの課金は、一般的に、プラットフォームのアカウントを通じて行われます。返金を申し出る場合は、課金をしたアカウントから、プラットフォーム事業者に問い合わせます。プラットフォーム事業者から返金が認められなかった場合、ゲームの提供会社に問い合わせをすることもできます。

 ただし、ゲーム内で年齢確認画面があるにもかかわらず、成人であると偽って課金している場合には、プラットフォーム事業者やゲーム提供事業者が、子どもによる課金だったと判断することができないため、必ずしも取消しや返金が認められるとは限りません。

民法の「未成年者取消権」が認められるか

 未成年者が保護者の承諾なく契約を結んだ場合、原則として、民法で定められた「未成年者取消権」によって、契約を取り消すことができます。しかし、未成年者が契約にあたって、相手を誤信させるために、未成年者自身が「成人である」と偽った場合(「詐術」を用いた場合)は、契約を取り消すことはできません。

 なお、未成年者が「詐術」を用いたと言えるかについては、個別具体的な事情を総合考慮した上で、実質的な観点から判断されるものとされています。

 お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。

参考