[2021年7月7日:公表]
「手術当日化粧できる」という二重まぶた形成術を受けたが腫れがひかない
質問
インターネット広告で「手術当日化粧できる二重まぶた形成術」をみつけ、クリニックでカウンセラーから「腫れない、痛みが少ない」という50万円の施術を勧められた。当日契約・手術することになり、手術室で初めて医師と対面したがリスクの説明はなかった。術後1週間経っても腫れがひかない。
回答
二重まぶた形成術の術後に起こる腫れは施術に伴う自然な反応です。術前の説明より長い間腫れがおさまらない、目に痛み・違和感がある場合などは、まず施術を受けたクリニックに相談し、状態を確認してもらいましょう。
解説
「理想の二重になりたい」という希望をかなえる「二重まぶた形成術」は、近年日本において施術数の多い美容医療の一つです(注1)。二重まぶた形成術には埋没法、切開法など複数の施術方法があり、それぞれの方法に利点・欠点があります(注2)。自分に合う施術方法、どのような二重を希望するか(二重の幅、ライン、かたちなど)は、カウンセリング等で医師と具体的に話し合った上で検討しましょう。また、施術後に起こりうる腫れなどの症状やその症状が落ち着くまでにかかる期間(ダウンタイム)の説明を受けましょう。併せて合併症や後遺症の有無などリスクに関しても必ず説明を受けるようにしてください。
施術による危害を受けたとしてその治療に関する補償や精神的な損害を被ったとして慰謝料を求めたい、施術の効果がなかったことを証明したいという相談は、消費生活センターでの解決が困難です。このような意向がある場合は弁護士等に相談しておくことも一法です。
施術後に起こりうる症状とダウンタイム
二重まぶた形成術の術後は数週間〜数カ月程度、まぶたが腫れる可能性があります。これは二重まぶた形成術に限ったことではなく、美容医療の施術後には腫れやむくみ、痛み、内出血等の症状が起こる場合があります。こうした症状が落ち着いて、日常生活に戻れるようになるまでの期間を「ダウンタイム」といいます。
したがってダウンタイムの間に起こる症状だけをもって、施術が失敗したと判断することはできませんが、術前の説明より長い間不調が続く、症状が重い場合などは、まず施術を受けたクリニックに相談し、状態を確認してもらいましょう。
どのような施術を受ける場合でも必ずリスク等の確認をしましょう
いわゆる「プチ整形」と呼ばれる施術は「切らない」「バレない」「手術当日からメイクOK」と手軽に施術が受けられるように広告、説明される場合もありますが、全く腫れが起こらないなど、リスクなしで受けられるわけではありません。
希望する施術のメリットや安い費用で受けられることだけをもって判断せず、施術に伴うリスク等についての情報収集に努めましょう。
そしてクリニックでカウンセリング等を受ける際は、特に以下の点について医師から説明を受け、よく理解したうえで施術を受けるか判断してください。
- 術中の痛みの程度
- ダウンタイムの期間や起こりうる症状等
- 合併症や後遺症の有無
- 他の施術方法があるか(ある場合はその内容や費用負担等)
- 使用する薬剤の名称や効能、副作用等