酸で足裏の角質を除去するフットケア商品。使用時の注意点は?
質問
足裏の角質を除去するフットケア商品を購入しました。表示された使用方法どおりに使用したのに、やけどのようにただれて痛みが治まりません。このようなことはあるのでしょうか?
回答
人によって、また、同じ人でもその時の皮膚の状態によって、商品の皮膚への影響度合いは異なります。そのため、表示のとおり使っていても、やけどのような炎症を起こすことがあります。商品を使用する際は十分に注意し、表示よりも大幅に短い時間から試すようにしましょう。痛みや違和感があるときは、すぐに使用をやめ医師の診察を受けましょう。
解説
酸を使ったフットケア商品
薬剤の入った靴下状の袋に足を一定時間浸すことにより、足裏の角質をはがしすべすべにするなどとうたうフットケア商品が販売されています。しかし、商品の使用後に「足裏の皮膚がやけどのように赤く腫れてしまった」「強い痛みのため歩けなくなった」などの相談が全国の消費生活センター等に寄せられています。
これらの商品の多くに配合されているのは、角質の剥離を促す作用があるα−ヒドロキシ酸(AHA)です。成分表示では、グリコール酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸などと記載されており、美顔施術のケミカルピーリングなどにも使われています。
日本では化粧品のα−ヒドロキシ酸(AHA)の濃度に関する定めはありません。しかし、アメリカでは米国食品医薬品局(FDA)が、消費者が使用するのに安全とされる数値(AHA濃度10.0%以下、pH3.5以上)を示しています。
国民生活センターによる商品テストの結果、FDAが安全とする数値の範囲を超えるフットケア商品がいくつかみられました。
酸を使ったフットケア商品は、角質が剥がれ始めるまでに数日かかるという商品の性格上、剥離の効果を見ながらフットケアを行うことができません。そのため、コントロールの難しい商品であるということを理解して使用する必要があります。
危害を防ぐためにできること
薬剤の影響には個人差があるほか、同じ人でもその時の皮膚の状態や体調次第でトラブルが起こる可能性があります。
使用の際は、以下の点に注意しましょう。
- 使用上の注意を守る
- 使用前は、足に傷や炎症がないか確認する
- 使用後は、足裏の日焼けや感染症に注意する
- 使用の際は、表示よりも大幅に短い時間から試す
一般的に、薬剤の皮膚への影響は、接触時間が長く、温度が高い場合に、より大きくなると考えられます。 - 使用の間隔を十分に空ける
数日経ってから皮膚トラブルが起こることもあります。
少しでも異常を感じた場合は、すぐに使用をやめ病院へ行きましょう。その際、使用した商品の残りやパッケージなどを持参するとよいでしょう。なお、この商品を使用するかどうかは商品の特性や危険性を理解した上で慎重に検討しましょう。
お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。