容量が偽装されたポータブルSSD(相談解決のためのテストからNo.198)
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
依頼内容
「通信販売で購入した外付けSSDにデータが書き込まれない。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。
調査
ポータブルSSDは、半導体メモリを使用した持ち運び可能な外付けの記憶媒体で、従来のUSBメモリよりも大容量・高速・高耐久で、写真や動画、大きなファイルの保存やバックアップに適しています。当該品は、USB3.0接続のデータ容量が1TBを謳うポータブルSSDで、インターネット通信販売サイトにて商品説明を確認して購入したものでした。なお、テスト依頼を受けた時点で、販売ページ、事業者情報等は、同サイト上では削除されていました。
当該品のX線観察を行ったところ、内部にはUSB Type-CとType-A(USB2.0)の変換基板があり、そこにUSBメモリと思われる基板が挿入された状態でした。
当該品をパソコンに接続し、ドライブのプロパティを確認すると、全体容量は985GB、使用領域は112GB、空き領域は872GBと表示されました。また、保存されていたファイルの中には、Windowsの標準機能で開くことが可能なファイル形式であるにもかかわらず、開くことができないファイルが存在しました。
これらのファイルについて、ファイルの中身を確認したところ、ファイルは全て[00]のデータが書き込まれており、ファイル名とファイル容量は存在するものの、内容のないファイルになっていました。
また、当該品について簡易的なディスクチェックを行ったところ、見かけ上1.06TBのストレージ容量に対し、書き込み可能な最大値は14.7GBしかありませんでした。
解決内容等
当該品は、ドライブ全体の容量を偽装するだけではなく、書き込めない部分についてファイルが存在しているように表示しているものと考えられました。データの保存やバックアップをしたつもりでも、実際にはほとんどのデータを開くことができず、復旧することもできません。購入の前に、以下のことを確認しましょう。
- 型番を検索サイトなどで調べて、商品の公式情報、仕様を確認しましょう。
- 販売事業者の情報を確認しましょう。インターネット通信販売サイトでは、実際に出品している店舗の所在地や連絡先を必ず確認しましょう。
- 同等の商品と市場価格を比較し、著しく安価な商品の購入は控えましょう。
- 判断が難しい場合は、家電量販店等で相談、確認して購入しましょう。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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