増加し続ける後払い決済サービスが関連する消費者トラブル−商品が届いた後に支払えるからといって安心せず、契約条件をよく確認しましょう−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
主にECサイトでのインターネット通販における便利な決済手段の一つとして「後払い決済サービス(クレジットカード等を用いず、2カ月以内での後払いができるサービス)」が利用されています。後払い決済サービスは商品が手元に届いた後で支払うことができることに加え、クレジットカード番号等を販売業者に伝えずに決済できるため、気軽に利用できる点が大きなメリットとされている決済手段です。
その一方で、全国の消費生活センター等には後払い決済サービスが利用された取引に関するトラブルも寄せられ始めたことから、国民生活センターでは、2020年1月に後払い決済サービスについて特別調査を行い、公表を行いました*1が、その後も依然として相談件数が増加し続けています。そこで、改めて後払い決済サービスが関連する相談事例を紹介し、消費者に注意喚起を行うとともに、消費者トラブルの未然防止・拡大防止のため、業界団体へ要望を行います。
図.PIO-NET *2にみる後払い決済サービスが関連する相談のうち、販売方法に問題がある件数
※2024年度同期件数(2024年5月31日までのPIO-NET登録分)は4,762件
年度別相談件数:2021年度は14,555件、2022年度は33,206件、2023年度は34,137件、2024年度は43,964件、2025年度は5,320件です。
- *1 (特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題(2020年1月23日)
- *2 消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。2025年5月31日までの登録分。
相談事例
- 解約したのに後払い決済サービスで請求を続ける定期購入業者とのトラブル
- 契約を断った消費者に後払い決済サービスで教習料金を請求する自動車教習所とのトラブル
- 後払い決済サービス事業者から突然請求される購入した覚えのない商品代金に関するトラブル
相談事例からみる問題点
- 消費者対応が十分ではない販売業者が後払い決済サービスの加盟店になっている。
- 消費者トラブルを発生させている販売業者に関する情報を、後払い決済サービス事業者が積極的に把握せず、その結果、迅速な調査が不十分なことがある。
- 後払い決済サービスが悪用されている。
消費者へのアドバイス
- 後払い決済サービスの利用時に限らず、契約前には表示や料金、契約条件などをしっかり確認し、契約するか慎重に検討しましょう。
- 後払い決済サービスの利用であっても慎重に検討しましょう。
- 販売業者とトラブルになった場合は、後払い決済サービス事業者にも連絡しましょう。
- 不安に思った場合やトラブルになった場合には、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。
- *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
- 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
啓発資料
要望
- 加盟店契約時の初期審査、継続的なモニタリング、消費者トラブルが発生した際の迅速な随時調査の徹底
- 消費者トラブルを発生させている加盟店について、当該事業者への迅速な対応及び協会加盟社間の共有
- 協会加盟社の拡大を含む業界全体の取引の適正化に向けた取り組みの実施
- 不正利用防止対策の取り組みの実施
要望先
- 日本後払い決済サービス協会
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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