強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!−本当に「そのまま“ずっと”住み続けられる」契約ですか?−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
自宅(マンション、戸建て住宅)を売却する契約と同時に、その不動産の賃貸借契約を結んで、その後は家賃を払いながら同じ家に住み続けるという「住宅のリースバック」の契約に関する相談が、全国の消費生活センター等に寄せられています。契約当事者の約7割が 70 歳以上となっており、相談件数がここ数年増加しています。
相談では「何時間も勧誘され続けた」「マンションを売るよう執拗に勧誘された」といった勧誘に問題がある事例が目立つほか、「『売却後もそのまま住み続けられる』と説明されリースバック契約をしたが、家賃が値上げされ支払えなくなった」といった深刻なケースもみられます。
そこで、トラブルの未然・拡大防止のため、事例を紹介するとともに、消費者に注意を呼びかけます。
啓発資料
相談事例
- 長時間勧誘され自宅マンションのリースバック契約をしてしまったが解約したい。
- 自宅マンションを売るようしつこく言われ、怖くなって応じてしまった。
- 生活に困っていたのでリースバック契約をしたが家賃が値上げされ支払えなくなった。
- 認知症の父が相場より非常に安価な売却額でリースバック契約をしていた。
相談事例からみる問題点
- 長時間の勧誘や強引な勧誘によって消費者が望まない契約をしてしまう。
- リースバックの契約内容について消費者に適切に理解させていない。
- 「自宅に住み続けたい」という消費者のニーズに合致していない契約がなされている。
- 判断能力が低下した高齢者がトラブルにあっている。
アドバイス
- 勧誘が迷惑だと思ったらきっぱりと断り、今後勧誘しないように伝えましょう。
- 自宅を不動産業者に売却した場合、クーリング・オフはできません。
- 売却後もそのまま住み続けたい場合、家賃を支払い続けられるかよく確認しましょう。
- 「住宅のリースバックに関するガイドブック[PDF形式](国土交通省)」を活用しましょう。
- 不安や不明な点があれば、すぐに消費生活センター等に相談しましょう。
- *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
- 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
身近な高齢者を守るために
高齢者の消費者トラブルを防ぐためには、不審な人間が出入りしていたり、困った様子がうかがえたりしないか等、日頃から高齢者の生活や言動、態度などを見守り、身近にいる周りの方が変化にいち早く気付くことがとても重要です。
消費生活センター等への相談は、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどの職員からでも可能です。身近な高齢者がトラブルにあっているのではないかと気づいた場合は、できるだけ早く相談してください。
国土交通省との連携
国土交通省においては今後、リースバックに関する基本的な知識やメリット・デメリット、不動産の売買・賃貸借契約の知識などを周知するとともに、具体的な契約に際して消費者が留意・確認するべきポイントについて、個別に指差し確認ができるようなツールを提供する予定です。
また、その中で法令に抵触し得る事例について、消費者向けに具体的に周知することを予定しています。国民生活センターとしてもこれらの取り組みの周知等の側面から国土交通省と連携協力を進めます。
関係団体への要望
次の事項について関係団体へ要望します
- 法令の遵守
- 高齢者に対する配慮
要望先
- 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(法人番号6010005018683)
- 公益社団法人全日本不動産協会(法人番号8010005003089)
- 一般社団法人不動産協会(法人番号1010005018754)
- 一般社団法人不動産流通経営協会(法人番号5010405010522)
- 一般社団法人全国住宅産業協会(法人番号3010005020287)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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