[2025年1月15日:公表]
「分電盤の点検に行きます」の電話から始まる勧誘に注意−2024年度に急増しています−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
分電盤の点検商法に関する相談が2024年度に入り急増しています。分電盤は、内部に屋内配線の安全確保等のためのブレーカー等が内蔵されており、一般的に玄関や洗面所等に設置されています。分電盤の点検商法に関する相談件数は2024年11月末時点で2023年度同期と比べ約25倍となっており、契約当事者の約8割が70歳以上です。
相談事例では、業者が電話等で突然分電盤やブレーカーの点検を持ち掛けて訪問し、「すぐに交換しなければ漏電して火事になる」などと不安をあおりその場で分電盤の交換を迫る手口がみられます。中には電話口で電力会社やその委託会社と名乗り、信用させる例もみられます。
そこで、トラブルの未然・拡大防止のため、寄せられる相談事例を紹介するとともに、消費者に注意を呼びかけます。
図.PIO-NET*にみる分電盤の点検商法に関する年度別相談件数の推移
※2023年度同期件数(2023年11月30日までの登録分)は18件
グラフデータ詳細開く
年度別相談件数:2020年度は10件、2021年度は19件、2022年度は14件、2023年度は39件、2024年度は11月30日までで461件です。
脚注開く
- * 消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。2024年11月30日までの登録分。
相談事例
電力会社の委託を受けたという業者の点検後に交換工事を契約したが、委託というのはうそだった
契約している電力会社に委託されたと言う業者から「分電盤の点検をする」と電話があった。昨日訪問してきて、点検後に「分電盤が古いので漏電する可能性もある。危険なので交換した方がいい」と言われた。漏電したら困ると思い、約23万円で契約し、数日後に工事予定だ。念のため、契約している電力会社に確認したところ「この業者は当社とは関係ない」と言われた。不審なので解約したい。
(2024年6月受付 90歳代 男性)
その他、以下のような相談も寄せられています
- 不安をあおられ分電盤の交換契約をしたが、高額なのでやめたい。
- 漏電による火災は保険が下りないと言われ不安になり契約した。
- 分電盤は15年で交換することが法律で決められていると言われ契約してしまった。
相談事例からみる問題点
- 電話等で電力会社やその委託会社を名乗るなどして突然点検を持ち掛ける。
- 点検後に不安にさせ分電盤交換の契約を急がせる。
- 分電盤交換は法律で定められている、分電盤の漏電では火災保険が下りないなどとうその説明をする。
消費者へのアドバイス
- 電話等で点検を持ち掛ける業者には安易に点検させないようにしましょう。
- 点検させたとしてもその場では契約せず、十分に比較・検討しましょう。
- クーリング・オフ等ができる場合もあります。
- 4年に1回の無料法定点検について日頃から確認しておきましょう。
- 不安や不明な点があれば、すぐに消費生活センター等に相談しましょう。
- *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
- 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
行政からの注意喚起
啓発資料
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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<お知らせ>
報告書に誤記がありましたので資料を差し替えました。訂正箇所は以下のとおりです。(2025年1月21日)
- 6ページ図3、「小売電気事業者の所有物」を「一般送配電事業者の所有物」に修正。