毛皮ではない「ムートン」が使用されていたベッドパッド(相談解決のためのテストからNo.192)
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
依頼内容
「インターネット通信販売でムートンと表示されたシーツを購入したが、ムートンとは思えない。表示に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。
調査
当該品は、インターネット通信販売サイトで「ムートンシーツ」として販売されていたベッドパッドでした。販売サイトはすべて日本語で記載されていましたが、事業者の連絡先は海外の住所でした。
当該品の断面を観察すると、起毛した繊維と繊維が植毛された基布からなる表地、中綿、裏地という3層の構造でした。販売サイトの表示によると、ムートンとされるのは表地であると考えられたため、JIS L 1030-1「繊維製品の混用率試験方法−第1部:繊維鑑別」に従い、表地の起毛した繊維と基布の繊維を鑑別しました。
その結果、起毛した繊維は主に羊毛、基布は主にポリエステルであり、表地は、ポリエステルの基布に羊毛を打ち込んだパイル織様の生地であると考えられました。
ムートンに関する公的な規格等はないものの、特定非営利活動法人 日本皮革技術協会によると、「繊細な毛をもつシープスキン又はラムスキンを原料とする毛皮*1」とされています*2。当該品の表地は、ポリエステルの基布に羊毛を打ち込んだものであり、日本皮革技術協会の定義する「ムートン」とは異なる素材であると考えられました。
- *1 毛皮とは、体毛が生えた獣皮のこと。
- *2 皮革用語辞典「ムートン」p.253、日本皮革技術協会(編)
消費者へのアドバイス
インターネット通信販売では、広告から想定していた商品とは異なる品質の商品が届くことがあります。事前に素材や仕様など細かいところまで確認し、不安な点がある場合は、販売サイトに確認した上で購入するようにしましょう。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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