日時がリセットされるドライブレコーダー(相談解決のためのテストからNo.191)
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
依頼内容
「ドライブレコーダーを使用したところ、日付がリセットされる不具合が発生した。商品に問題ないか調べてほしい。」という依頼を受けました。
調査
当該品は、ミラー型のドライブレコーダーで、GPS機能がなく、初使用時や長時間使っていなかった場合は、日付及び時刻を手動で設定する商品でした。
当該品は、日時を設定した後に電源を切って再起動すると、設定した日時が初期値にリセットされる現象が確認されました。また、電源供給が無い状態でも、内蔵されたリチウムイオンバッテリーにより短時間の起動は可能であったことから、日時がリセットされる要因は、充電池の消耗や電源系統の異常によるものではないと考えられました。
そこで、当該品を分解し調査を行ったところ、制御基板に実装された制御用SoCには、水晶振動子が接続されており、この水晶振動子とSoC内の回路によって時計の機能を生成していると考えられました。しかし、オシロスコープを用いて当該品の波形を確認したところ、水晶振動子の動作は確認できませんでした。
次に、水晶振動子の端子周辺を拡大観察すると、端子付近に実装されたチップコンデンサ部分で、はんだブリッジが発生していました。この水晶振動子は、他の部品の制御基板への自動実装後に手はんだ付けされていたことから、作業時に近接するチップコンデンサにはんだが付着し、ブリッジが生じた可能性が考えられました。このはんだブリッジ部分を取り除くと、水晶振動子の動作が確認できるようになり、電源ON/OFFを行っても日時がリセットされずに保持されることが確認できました。
解決内容等
依頼センターがテスト結果を事業者に説明したところ、事業者による調査の結果でも、商品に不備が確認されたため、販売元からは商品代金が返金され、製造元からはテスト結果を海外の工場と共有して今後に生かしたいとの回答がありました。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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