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[2024年10月30日:公表]

庫内底面のガラスが破損したオーブンレンジ(相談解決のためのテストからNo.189)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

依頼内容

 「オーブンレンジを使用していたところ、庫内底面の耐熱ガラスが破損した。破損した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

調査

 当該品は、電子レンジ機能とオーブン機能を有するオーブンレンジで、庫内底面のガラスには、広い範囲で破損や亀裂が生じていました。なお、使用期間は3年ほどとのことであり、庫内上部及び底面において、使用に伴う汚れの付着がみられました。

 当該品から、破損していた庫内底面のガラスを取り外し、破断面を観察することで破断の起点や伝播方向を確認しました。その結果、破断の起点は中央からやや右奥側の表面上と考えられ、そこから破断が奥側と手前側に伝播していったと考えられました。

当該品の概要(イメージ)当該品のイメージ図

 破断の起点部を確認すると、直径約2mm、深さ約1mmの球状の凹みがみられ、熱的な応力の負荷や静的な疲労などで破損した際の特徴的な破面模様である鏡面域がみられました。この凹みは、電子レンジによる加熱の際、マイクロ波によって庫内底面のガラスに付着した食品などの炭化物やアルミホイルなどの導電性の異物から火花が生じ、局所的に過熱されるなどして生じた可能性が考えられました。なお、当該品の破断面に対し、ひずみ検査器を用いて観察したところ、物理強化加工が確認できたことから、強化ガラスであると考えられました。

 以上のことから、当該品の庫内底面のガラスは、電子レンジ使用時の局所的な過熱によって、深さ約1mmの凹みが生じ、その凹みによって強化ガラスの応力の均衡が崩れたことで破損したものと考えられました。

消費者へのアドバイス

 電子レンジ使用の際、庫内に汚れが残っていると、そこにマイクロ波が集中して火花が生じることがあります。庫内底面のガラス上で火花が生じると、それによって庫内底面のガラスの破損につながる可能性があります。庫内が汚れた場合は取扱説明書に従って、その都度ふき取る等の手入れをするように心がけましょう。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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