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[2023年12月20日:公表]

痩身目的等のオンライン診療トラブル−ダイエット目的で数か月分の糖尿病治療薬が処方される「定期購入トラブル」が目立ちます−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 2020年9月、当センターは、痩身をうたうオンライン診療について、説明不足や解約・返金等のトラブルにかかる注意喚起を行いましたが、その後も相談が増えています。

 痩身目的等のオンライン診療に関する相談では、処方薬、副作用の説明や基礎疾患の問診が十分でないまま、初診時に数カ月分の処方薬が処方されるなど、厚生労働省が作成した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が遵守されていないケースや、処方薬の定期購入の中途解約に一定の条件がある場合であってもその説明が不十分なケースが見られます。今後、オンライン診療の機会が増加し、消費者トラブルも増えることが懸念されることから、改めて消費者への注意喚起を行います。

図.PIO-NET(注1)における「美容医療(注2)のオンライン診療」に関する相談件数の推移
2021年度から2023年10月31日までの「美容医療のオンライン診療」に関する相談件数の推移のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
※2022年度同期件数(2022年10月31日までのPIO-NET登録分)は98件

 年度別相談件数:2021年度は49件、2022年度は205件、2023年度は10月31日までで169件です。

  • (注1)消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。本資料の相談件数等は2023年10月31日までのPIO-NET登録分(n=423)。なお、2021年度にキーワードの新設を行ったため、2021年度より前の件数は算出できない。
  • (注2)本稿でいう「美容医療」とは、疾病の治療ではなく、身体の美化を主目的とした医療サービスを指し、特定商取引法に規定する特定継続的役務の美容医療とは必ずしも一致しない場合がある。

相談事例

オンライン診療で処方されたダイエット治療薬が糖尿病治療薬だった

 ネット通販でダイエットサプリを購入しようと思っていたときにオンライン診療を知った。医師の処方であれば安心だと思い、オンライン診療を受け、2種類の薬を処方された。支払いはコンビニ決済を選んだ。

 処方された薬を調べると糖尿病治療薬で副作用があることがわかった。自分には糖尿病歴がないため、不安になり、処方薬が届く前に解約の申し出をしたが、「1回目はキャンセルできない」と言われ、後日、薬が届いた。副作用の説明は受けておらず、1カ月分で2万円を超え高額なので返品したい。

(2023年5月受付 40歳代 女性)

その他、以下のような相談も寄せられています

  • 基礎疾患の問診が不十分なまま、処方薬を強く勧められた。
  • 他の薬との飲み合わせや副作用の説明がなく、キャンセルもできない。
  • 基礎疾患の問診がなく、処方された薬で副作用が出た。
  • 処方薬が意図せず定期購入になっていた。
  • オンライン診療サイトの運営事業者と医師(クリニック)の役割が判然としない。

消費者へのアドバイス

  • 痩身目的等のオンライン診療を受診するときは、処方薬も含めて医師からしっかり説明を受けましょう。
  • 糖尿病治療薬は痩身目的の使用に関して安全性と有効性は確認されていません。
  • 解約条件等について申し込み前によく確認しましょう。
  • トラブルにあった場合は、消費生活センター等に相談しましょう。
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

啓発資料


本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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