棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒に注意
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
葬儀の際、ご遺体の保冷目的で棺(ひつぎ)内に置かれていたドライアイスによる二酸化炭素中毒が疑われる死亡事故の情報が消費者庁に寄せられています。当センターが行ったテスト結果を踏まえ、葬儀で棺に接する際に注意してほしいポイントをご紹介します。
事故事例
- 葬儀場において、ドライアイスを敷き詰めた棺桶の小窓を開けたそばで、意識不明の状態で発見され、搬送先の病院で死亡した。
- 葬儀場において、ドライアイスを敷き詰めた棺桶内に顔を入れた状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。
- 自宅において、ドライアイスを敷き詰めた棺桶内に顔を入れた状態で発見され、死亡が確認された。
動画【YouTube】
棺内にドライアイスを設置した際の二酸化炭素及び酸素濃度の測定
棺の蓋を閉めた状態
棺内にドライアイスを設置し、蓋を閉めた状態で棺内の濃度を調べました。
- 二酸化炭素濃度は、テスト開始20分後には「ほとんど即時に意識消失」するとされる濃度(30%)を超え、4時間(240分)後には90%前後でほぼ一定となりました。
- 酸素濃度は、テスト開始1時間後には「意識消失」するとされる10%程度まで低下しました。
棺の蓋を開けた状態
棺内の二酸化炭素濃度が90%前後でほぼ一定となった状態から、静かに蓋をすべて開けた時の濃度を調べました。
- 二酸化炭素濃度は、蓋を開けた直後に約60%まで急激に低下しましたが、その後、低下は緩やかになり、約50分が経過しても「ほとんど即時に意識消失」するとされる30%以上を維持していました。
- 酸素濃度は、蓋を開けた直後は約10%で、そこから緩やかに上昇し、50分後には約15%となりました。
消費者へのアドバイス
- ご遺体に話しかける等の際は、棺の中に顔を入れて高濃度の二酸化炭素を吸い込まないようにしましょう。
- 室内に二酸化炭素が滞留しないよう、十分な換気を行いましょう。
- 寝ずの番(線香番)を行う際は、万が一の場合に備え、一人にならず、なるべく複数人で見守りましょう。
- 棺に顔を近づけて気分が悪くなったら、すぐに棺から離れて換気の良い場所に移動しましょう。異常があれば直ちに119番通報をしましょう。
- 棺の窓や蓋の開閉等、棺を取扱う上で不明なことがあれば、葬儀業者に確認しましょう。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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