「消費生活センターにおける解決困難事例の研究〜起業・副業をめぐる消費者トラブルの被害救済を中心に〜」調査報告<結果・概要>
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
起業・副業に関連する消費者トラブルは、若年層を中心に増加傾向です。解決困難な事例も目立つことから、消費生活センターのあっせんにおいてよりよい解決が図れる策はないか等について、現状や取組例等を調査し、報告書をまとめました。
調査結果のポイント
起業・副業をめぐる消費生活相談等の現況
- 起業・副業をめぐる消費生活相談は、若者を中心に寄せられ、増加傾向。
- なかでも副業サポート契約について解決困難に陥る事例が目立つ。
- 解決困難に至る主な特徴は、事業者が(1)あっせんに非協力的、(2)連絡が取れない。
- 上記の場合でも、クレジットカード決済の場合には、決済関係事業者の対応で解決に至ることもあるが、銀行振込、現金払いの場合は解決が困難。
起業・副業関連の消費者トラブルの弁護士受任事例の現状
- 消費生活センターのあっせん不調事例でも、裁判までせず交渉で解決する例が多い。
- 連絡が取れない事業者は解決が困難だが、支払手段によっては被害回復できることもある。
都道府県・政令市消費生活センターへの調査
アンケート調査
- 調査対象:47都道府県、20政令指定都市の消費生活センターまたは担当課67カ所
- 調査方法:電子メール
- 有効回答数:56、有効回答率:83.6%
- 調査時期:2022年11月〜12月
- 調査の結果
- あっせんに非協力的な事業者への対応は決済関係事業者への対応要請、繰り返しの連絡が重要。
- 連絡不能な事業者への対応は決済関係事業者や国民生活センターへの問合せが重要。
- あっせん不調時の対応は弁護士・弁護士会、弁護団、警察、国民生活センターADRにつなぐことが重要。
ヒアリング調査(解決につながった取組例)
- あっせんに応じない事業者に条例に基づく対応の要請を行う(大阪市消費者センター)
- 解決困難な事例で振込に関係する金融機関に一報する(北九州市立消費生活センター)
- あっせん不調事例を弁護団につなぐ(埼玉県消費生活支援センター)
今後の被害救済に向けて
- あっせんに非協力的な事業者への対応は決済関係事業者の対応、ノウハウの共有が重要。
- 連絡不能な事業者への対応は警察や金融機関の理解と協力、SNSのアカウント情報の開示に期待。
- あっせん不調時の対応は弁護団、ADR等へのつなぎ、特商法等の事業者指導部門との連携が重要。
本報告書が消費生活センターにおける相談解決の一助となれば幸いです。
消費者においては、トラブルにあった際には消費生活センター等に相談してください。
情報提供先
- 消費者庁(法人番号5000012010024)
- 内閣府消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 金融庁(法人番号6000012010023)
- 警察庁(法人番号8000012130001)
- 経済産業省(法人番号4000012090001)
- 一般社団法人全国銀行協会(法人番号1010005016782)
- 一般社団法人日本クレジット協会(法人番号1010005014126)
- 日本貸金業協会(法人番号5010405007114)
本件連絡先 教育研修部上席調査研究員
[報告書概要] 「消費生活センターにおける解決困難事例の研究〜起業・副業をめぐる消費者トラブルの被害救済を中心に〜」調査報告<結果・概要>[PDF形式](384KB)
[報告書本文] 「消費生活センターにおける解決困難事例の研究〜起業・副業をめぐる消費者トラブルの被害救済を中心に〜」調査報告書[PDF形式](1.6MB)
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