[2022年11月30日:公表]
【「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?(No.3)】テレビショッピングなどをみて電話で注文したら、意図せず「定期購入」に!?−「サンプル」「おまとめコース」などを勧められても要注意!−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
通信販売での「定期購入」に関する相談が全国の消費生活センター等に引き続き多く寄せられています。「テレビショッピングをみて、紹介されていた商品を購入するため販売業者に電話したところ、当該商品と一緒に別の商品を勧められた。別の商品は断り、当該商品だけを購入したはずなのに、後日、当該商品と一緒に、断ったはずの別の商品も届き、『定期購入』だった」、「新聞広告で商品が割引価格で販売されているのを見て、販売業者に電話したところ、『複数月試さないと効果がない。おまとめコースの方が価格が安くなる』と説明されて、複数月分がまとめて1回限り届くものだと思って注文したところ、複数月分の商品が定期的に届く『定期購入』だった」という相談が、60歳以上の高齢者でみられます。
相談事例
新聞折込広告の商品の注文のために電話したら、サプリメントの購入を勧められ、サンプルだけ受け取るはずが「定期購入」になっていた
近くに住んでいる高齢な義母から次のような相談を受けた。どうしたらよいか。
約3カ月前に、義父が、「拡大鏡」が今なら通常価格の半額で販売されているという新聞折込広告を見て、義母が注文するために販売業者に電話した。その際、販売業者から「目に良いサプリメントがあるのでサンプルを送る」と言われた。後日、拡大鏡とサプリメント1袋が届いた。一緒に届いた「明細書兼請求書」では、拡大鏡が「プレゼント」、サプリメントが「約3,000円」と記載されていておかしいと思った。その約1カ月後、販売業者から以前と同じサプリメントが届き、さすがにおかしいと思い、販売業者に電話で連絡したが、混みあってつながらなかった。さらに1カ月後、また同じサプリメントが届いた。「明細書兼請求書」を改めて確認すると、「1年定期」と記載がある。このままでは今後もサプリメントが届いてしまう。どうしたらよいか。サプリメントの「定期購入」を注文した覚えはない。
(2022年3月受付 80歳代 女性 ※相談者:50歳代 女性)
テレビショッピングで見た商品を注文するために電話したところ、複数月分の商品の購入を勧められ、承諾したら複数月のおまとめコースの「定期購入」になっていた
3カ月程前、テレビショッピングで「漢方薬」の広告を見て、販売業者に注文のため電話したところ、「3カ月は飲まないと効果があらわれない」との説明があったため、お試しのつもりで3箱を約1万4,000円で注文した。その後、3箱届き、コンビニ後払いで代金を支払った。
しかし、2日前、販売業者から同じ商品3箱分が再び届き、初めて定期購入であることが分かった。明細書には2回目の代金は約1万7,000円と記載されていた。すぐに販売業者に問い合わせたところ、「変更やキャンセルについては次回お届け予定日の10日前までに解約の電話を入れないと応じられない」と言われた。2箱飲んだところであまり効果が感じられず、胃に違和感も感じたため、最後の1箱は飲むのを止めていたのに、追加で3箱届いてもこれ以上は飲めないし、効き目も感じられない商品に高額な代金を支払いたくない。3回目は昨日キャンセルしたが、電話で注文した際に、「定期購入」であることは聞いてなかったので納得できない。2回目の3箱分は返品するので、代金は支払いたくない。
(2022年7月受付 70歳代 男性)
相談事例からみる問題点
- 消費者がテレビ・ラジオショッピングや新聞広告で紹介されていた商品を購入するために販売業者に電話すると、別の商品や複数月分の商品の購入を勧められる。
- 別の商品や複数月分の商品を勧められて、1回限りの購入のつもりが、意図せず「定期購入」になっていた。
- 高齢者の相談がみられ、高齢者本人が「定期購入」に関する説明を理解できていなくても契約を結んだことになっている。
消費者へのアドバイス
電話注文時に販売業者から「定期購入」を勧誘されても、理解できなければきっぱり断りましょう
- 電話注文時に販売業者から、別の商品や複数月分の商品を勧められても、興味がなければきっぱりと断りましょう。
- 興味を持った場合でも、すぐに注文せず、「定期購入」になっていないかなどをよく確認し、内容が十分に理解できない場合はきっぱり断りましょう。
- いったん電話を切ってから慎重に検討することもお勧めします。
2023年6月1日更新
「通信販売」には、クーリング・オフがありませんが、2023年6月1日に特定商取引法の改正施行令が施行され、新聞広告やテレビCM、ウェブページ等をきっかけに消費者から電話注文した際に、事前に触れられていない商品を勧誘された場合は、「電話勧誘販売」に該当し、クーリング・オフができる場合があります。
- (参考)特定商取引法ガイド(消費者庁)
高齢者の家族や周りの方の見守りが重要です
意図せず「定期購入」の契約になってしまい、困っていることがないか気を配りましょう
- 高齢者が「定期購入」をうまく解約できずに放置してしまっている場合は、家族などが解約を手助けしましょう。
電話注文時の勧誘で、不要な商品を購入したり、意図しない「定期購入」の契約を結ばないようにご注意ください
- テレビ・ラジオショッピングや新聞広告を見て、販売業者に電話で注文する時は、「定期購入」の勧誘に注意してください。
不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう
- 高齢者の消費者トラブルの場合、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどの職員からでも消費生活センター等に相談することができます。
- *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
- 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
テレビ・ラジオショッピングや新聞広告等での電話注文時の心構え
※以下は、電話注文時に販売業者から「定期購入」を勧められるケースを想定したものです。
電話注文する前
- テレビ・ラジオショッピングや新聞広告等で紹介されていた商品の名称や価格を確認しましょう。
電話注文する時
- 別の商品の購入を勧められることがあります。
- 複数月分の商品の購入を勧められることがあります。
- 「定期購入」の契約を勧められることがあります。
- 興味がなければきっぱりと断りましょう。
- 興味を持った場合でも、すぐに注文せず、「定期購入」になっていないかなどをよく確認し、内容が十分に理解できない場合はきっぱり断りましょう。
- いったん電話を切ってから慎重に検討することもお勧めします。
電話注文の電話を切る時
- 「定期購入」の契約を申し込んでいないかを確認しましょう。断ったのに「定期購入」の契約になっている場合は改めてきっぱり断りましょう。
商品が到着した時
- 商品が到着したら、「納品書」などで「定期購入」の契約になっていないかを確認しましょう。
- 意図せず「定期購入」の契約になっていたら、すぐに販売業者に連絡し、「定期購入」の契約は申し込んでないことを伝えましょう。
啓発資料
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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<お知らせ>
2023年6月1日に特定商取引法の改正施行令の施行により以下の修正を行いました。(2023年6月1日)
- 報告書本文3ページの「2.相談事例からみる特徴と問題点」の「(3)電話注文時の販売業者からの勧誘は、「電話勧誘販売」に該当せず「通信販売」に該当するため、販売業者の契約書面の交付義務やクーリング・オフがない」の項目を削除しました。
- 同3ページの「3.消費者へのアドバイス」に2023年6月1日施行の特定商取引法の改正施行令の内容について追記しました。