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[2022年11月11日:更新]
[2022年11月2日:公表]

不用品回収サービスのトラブル−市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 引っ越しや自宅整理等の機会に利用される不用品回収サービスについて、全国の消費生活センター等への相談が増加しており、2021年度には2,000件を超えました。

 一般家庭から出る廃棄物の収集・運搬には、廃棄物処理法に基づく「一般廃棄物処理業の許可」または「市区町村からの委託」が必要ですが、産業廃棄物処理業の許可のみの事業者等、一般廃棄物処理業の無許可業者とのトラブルが目立ちます。

 相談事例をみると、インターネットやチラシ等の広告をきっかけに、「安価な定額パックを申し込んだはずが、作業終了後に高額な料金を請求された」「トラック詰め放題プランで依頼したが、当日荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われた」など、消費者が広告を見て認識していたプラン内容と、実際の料金やサービスが大きく異なりトラブルになっています。インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らないため注意してください。

 そこで、トラブルの未然・拡大防止のため相談事例を紹介し、消費者への注意喚起を行います。

図.PIO-NET(注)における不用品回収サービスに関する相談件数の推移
2018年度から2022年9月30日までの不用品回収サービスに関する相談件数の推移のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
※2021年度同期件数(2021年9月30日までのPIO-NET登録分)は870件

 年度別相談件数:2018年度は1,354件、2019年度は1,457件、2020年度は1,788件、2021年度は2,231件、2022年度は9月末までで857件です。

  • (注)消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。2022年9月30日までの登録分。

相談事例

作業終了後に高額な料金を請求されて支払い、「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインをさせられた

 引っ越しに伴い不用品を回収してもらうためにインターネットで事業者を探した。「軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円」との広告を見て事業者に電話し、「広告のパック料金でお願いしたい」と申し込んだ。「実際に行ってみないとどちらのコースになるか分からない」と言われた。一人暮らしで不用品が少ないため、軽トラックパックになるものと考え、また2トントラックパックになったとしても料金は2万5,000円以上にならないと思っていた。ところが当日男性作業員3名が2トントラックで来訪し、不用品の積み込みが終わると、料金は25万円だと言われた。不動産業者の立ち合いの予定があり、早く部屋を出なければならないと焦っていたので、その場で親に電話をして送金してもらい支払った。その際、「クーリング・オフはできない」と記載された書面にサインをした。クーリング・オフできないのか。

その他、以下のような相談も寄せられています。

  • 事前の説明と異なる高額な料金を請求され、納得できないなら不用品をすべて下ろすと言われた。
  • 「トラック詰め放題」との広告を見て依頼したら、当日荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われ、断るとキャンセル料を請求された。
  • 不用品の量は軽トラック1台分に満たなかったが2台分を請求され、高額で支払えないと言うと、銀行で現金をおろすように言われた。

消費者へのアドバイス

不用品の処分は、お住まいの市区町村が提供する窓口に余裕を持って依頼しましょう

 一般家庭から出る廃棄物は市区町村の統括的な責任の元で適正に処理をする必要があります。不用品はお住まいの市区町村が案内するルールで処分しましょう。

 家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は家電リサイクル法の対象品目です。買い替えに伴う処分の場合は新しい製品を購入する小売業者に、処分のみの場合は処分する製品を購入した小売業者に引取りを依頼するなど、家電リサイクル法に基づいて、適切に処理をしてください。

 不用品の処分で分からないことがあれば、市区町村の窓口に問い合わせましょう。

市区町村以外に不用品の処分を依頼する場合は、一般廃棄物処理業者に依頼しましょう

 インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限りません。一般廃棄物処理業の無許可業者が一般家庭向けに出している広告を見ると、「定額パック××円」「トラック詰め放題△△円〜」などと安価な料金を表示していますが、実際には基本料金の他に人件費や廃棄費用等、様々な名目で追加料金が発生し、高額な料金を請求されてトラブルになっています。また無許可業者については、一般廃棄物の処理が適正に行われているのか市区町村で確認ができず、回収された不用品が不法投棄される恐れなどもあります。

 もしも不用品の回収を市区町村以外に依頼する場合は、市区町村のホームページや窓口への問合せで一般廃棄物処理業の許可業者を探し、複数社から見積もりを取り、追加料金がかからないことなどを十分に確認したうえで依頼しましょう。

見積もりを取るときのポイント
・市区町村のホームページ等から一般廃棄物処理業の許可業者を探す
・追加料金の有無を確認する
・作業内容、料金を明確に出してもらう
・キャンセル料を確認する
  • ※依頼後に一般廃棄物処理業の無許可業者であると分かった場合は、作業を断りましょう。

事前の見積もりとは異なる高額な料金を請求された場合は、支払いを断りましょう

作業前に料金や作業内容について納得できない提案があった場合

 当日は作業前に改めて料金や作業内容を確認しましょう。その際、見積もりの料金や作業内容からの変更を提案されて納得できない場合は、作業前にきっぱりと断りましょう。

作業開始後に想定外の料金を請求された場合

 作業中や作業終了後に、事前に聞いてない高額な料金を請求された場合は、後日納得した金額で支払う意思があることを示しつつ、その場での支払いを断りましょう。もしも支払いを迫る作業員の態度等に身の危険を感じることがあれば、警察に連絡するのも一法です。

 見積もりのために呼んだ事業者とその場で契約した場合や、広告等の表示額と実際の請求金額が大きく異なる場合などは、特定商取引法の訪問販売によるクーリング・オフ等が適用できる可能性があります。

トラブルになったときは消費生活センター等に相談しましょう

 不安に思った場合やトラブルになった場合には、一人で悩まず最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。

*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

啓発資料


本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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<お知らせ>
報告書本文1ページの図1、4ページの注釈3、啓発資料のグラフを修正いたしました。(2022年11月11日)