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[2022年4月7日:更新]
[2022年3月17日:公表]

電動キックボードでの公道走行に注意−公道走行するためには運転免許や保安基準に適合した構造及び保安装置が必要です−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 キックボード(車輪付きの板)に電動式のモーター(原動機)を取り付けて、立った状態で運転する、いわゆる「電動キックボード」や「電動キックスケーター」(以下、「電動キックボード」とする。)が販売されています。電動キックボードの中には公道を走行できるものもあり、新たなモビリティとして注目されています。通常のキックボードは遊具と位置付けられ、車道・歩道問わず交通の頻繁な場所での使用が禁止されている一方、電動キックボードは電動式の原動機(モーター)により走行し、原動機の定格出力によって区分され、0.6kW以下であれば、道路運送車両法上は第一種原動機付自転車に該当し、歩道で走行することは禁止されています。公道を走行する際は、道路運送車両の保安基準に適合した制動装置、前照灯、後写鏡等の構造及び装置を備えていることが必要です。さらに、ナンバープレート(標識番号標)の表示、自動車損害賠償責任保険(共済)への加入、運転免許の保有とヘルメットの着用も必要です。こうした中、道路運送車両の保安基準に適合しないもので走行中の交通事故や道路交通法違反についての報道が増えており、消費者の中には法的な位置付けや乗車方法などを正しく理解していない人がいるものと危惧されます。

 PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)には、2016年度以降、電動キックボードに関する相談は124件あり、このうち少なくとも7件は危害を伴った内容で、9件は公道走行の可否に関するものでした。

 そこで、電動キックボードの公道走行について正しい情報をまとめるとともに、現在、公道走行ができるとうたわれて販売されているものの構造及び装備等を調査し、消費者へ情報提供することとします。

写真1.電動キックボード(定格出力0.6kW以下)に必要な主な保安装置(10種類)
保安装置10種類が示された電動キックボードの写真

※最高速度20km/h未満の車両には必須装備ではありません(番号灯、尾灯、制動灯、方向指示器、速度計)

テスト結果

保安装置の調査

  • 1銘柄で速度計の指示速度が計測した走行速度よりも下回り、他の1銘柄では大きな誤差がありました
  • 原動機の定格出力表示は全銘柄とも0.6kW以下でした
  • 全銘柄とも、公道走行するために必要な保安装置を装備していました
  • 1銘柄で道路運送車両法に定める基準よりも停止距離が長くなりました
  • 1銘柄で前照灯が走行中に消灯できてしまう構造であったうえ、視認性が不足していると考えられました
  • 4銘柄で後部反射器の反射性能が不足していると考えられました
  • 2銘柄で方向指示器の視認性が不足していると考えられました
  • 6銘柄で警音器の音の大きさが不足していました
  • 3銘柄で後写鏡の大きさが不足していました
  • 1銘柄で番号灯の視認性が不足していると考えられました
  • 1銘柄で尾灯が走行中に消灯できてしまう構造でした
  • 2銘柄で制動灯の明るさが不足していると考えられました

表示の調査

  • 2銘柄の取扱説明書には、ナンバープレートの取得等、公道走行に関する説明表示がありませんでした
  • 4銘柄の充電器には、特定電気用品の表示における届出事業者名の表示がありませんでした
  • 5銘柄で取扱説明書に雨天時の走行ができない旨の注意表示がありました。他の3銘柄には雨天時の走行可否や防水性能に関する表示がありませんでした

方向指示器や制動灯のない銘柄での走行中の合図について

  • 進行方向を合図しながらの片手運転では、乗車状態が不安定になりました

写真2.走行中に進行方向を合図している様子
右折、左折時に手で進行方向を合図している写真2枚

その他

  • 1銘柄で紛らわしい灯火類が装備されていました

消費者へのアドバイス

  • 公道を走行する電動キックボード(定格出力0.6kW以下)は、第一種原動機付自転車に該当します。道路交通法の区分に応じた運転免許の保有とヘルメットの着用、道路運送車両法の区分に応じた保安基準に適合した構造及び保安装置、交付されたナンバープレートの表示、自動車損害賠償責任保険(共済)への加入等が必要となりますので必ず実施しましょう
  • 公道を走行する目的で電動キックボードを購入する際には、道路運送車両の保安基準に適合した装置が装備されているか、購入した状態で公道を走行することができるかを必ず確認しましょう
  • 方向指示器がない電動キックボード(最高速度20km/h未満)は右左折時に手の動作による合図が必要となります。交通量の多い交差点での右折時は降車して歩道を押して通行するなど、安全を優先しましょう
  • 電動キックボードは、車両や車輪がコンパクトで、利便性が高い反面、凹凸や滑りやすい路面では不安定になる場合があります。走行には十分に注意しましょう
  • 夜間に走行する際は、できるだけ目立つ服装にしましょう
  • 第一種原動機付自転車に区分されてヘルメットの着用が義務付けられている一般の電動キックボード(定格出力0.6kW以下)と、産業競争力強化法に基づく新事業活動計画における電動キックボードでは法律上の区分が異なり、適用規則が異なります。正しい情報をよく理解し、法律にのっとった方法で使用しましょう

業界・事業者への要望

  • 道路運送車両の保安基準の性能を満たしていない保安装置について、基準の性能を満たすよう改善を要望します
  • 車両付属の充電器の表示に不備があった銘柄は、関連法令を遵守し、適切に表示するよう改善を要望します
  • 電動キックボードで公道を走行する際に必要な内容を継続的に消費者へ周知するよう要望します
  • 公道走行ができるすべての電動キックボードに方向指示器を装備することを要望します
  • 消費者が実施できる走行前の点検方法や定期的なメンテナンスの作業方法を取扱説明書に分かりやすく表示し、組み立てに係るサポート、点検、修理をするサービスを併せて提供することを要望します

インターネットショッピングモール運営事業者への協力依頼

  • 公道で走行ができると表示した電動キックボードを消費者が安心して安全に使用するために、保安基準に適合した車両を販売するよう出品者への周知をお願いします

行政への要望

  • 電動キックボードの特徴や、走行する場合の注意点について、消費者への周知啓発を要望します
  • 電動キックボードの道路交通法上での区分について、周知継続を要望します
  • 電動キックボードの道路運送車両法上での区分について、周知継続を要望します
  • 車両付属の充電器の表示に適合しない銘柄を製造または販売している事業者に対し、関連法令を遵守し、適切に製造・輸入販売されるよう指導等を要望します
  • 一般に販売されている電動キックボードと産業競争力強化法に基づく新事業活動計画における特例電動キックボードとの違いについて、周知継続を要望します

要望先

  • 消費者庁(法人番号5000012010024)
  • 警察庁(法人番号8000012130001)
  • 国土交通省(法人番号2000012100001)
  • 経済産業省(法人番号4000012090001)
  • 一般社団法人日本電動モビリティ推進協会(法人番号9011005009414)

協力依頼先

  • アマゾンジャパン合同会社(法人番号3040001028447)
  • ヤフー株式会社(法人番号3010001200818)
  • 楽天グループ株式会社(法人番号9010701020592)

情報提供先

  • 内閣府 消費者委員会(法人番号2000012010019)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
  • 一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会(法人番号8010005004343)
  • 大手家電流通協会(法人番号なし)
  • マイクロモビリティ推進協議会(法人番号なし)

動画

動画イメージ写真 テストした電動キックボード
動画:電動キックボードでの公道走行に注意

業界の対応 ※2022年4月7日 追加

「株式会社 オオトモ」より

 この度は、テストして頂き有難うございました。ご指摘の警音器についてご回答させていただきます。

 改善策としましては、次回生産分から定められた音の範囲の警音器に変更する予定でございます。新たな警音器を探すと同時に現在庫の警音器に個体差があるかも調査させて頂きます。

「株式会社 FUGU INNOVATIONS JAPAN」より

 報道発表資料「電動キックボードでの公道走行に注意」につきまして、弊社製品の事実に相違する内容はございませんが、弊社ですでに対応または検討している事項につきまして連絡いたします。

1.制動装置について前輪のみの制動距離が規格を満たしていない件につきまして

 社内計測では基準を満たしていましたが、御社での測定を重視いたします。

 新しい製品はブレーキを強化して確実に停止できるブレーキに変更いたします。

2.後写鏡について大きさの不足について

 新しい規格を満たすミラーを用意して交換対応を行っています。(円形でミラー部分直径が100mmです。)

後写鏡の写真

3.特定電気用品の表示について

 新しい製品は下記の表示の物に変更いたします。

製品に付与されている特定電気用品の表示に関する全体の写真と一部を拡大して、左側にTÜV SÜD、右側にGSと表示されたテュフズード認証マークの写真

4.方向指示器の装備につきまして

 今後の製品について装備する事を前向きに検討いたします。

「万方商事 株式会社」より

 現在の販売分につきましては、下記のとおり改良しております。

  • 前方のライトのON・OFFスイッチはなくなっております。
  • 前方ライトの位置は下の方に移動しており、明るさも明るくなっております。

 その他ご指摘部分は随時改善していきます。

 その都度ご報告いたします。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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