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[2022年3月3日:公表]

ふたを開けようとして指にけがをした調味料入れ(相談解決のためのテストからNo.163)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「調味料入れのふたを回して開けようとしたところ、親指から手のひらにかけてけがをした。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、ふたつきの食塩入れで、相談者によると、ふたを取り外そうとして、ふた全体を右手で包むようにつかんで力を入れたところ、右手親指の腹から手のひらにかけて切れて出血したとのことでした。

 当該品のふたを注意深く取り外して裏側を観察したところ、本体に固定するためのねじ山を備えた樹脂製の部品の外側を厚さ0.5mmのステンレス板で覆う構造となっており、このステンレス板の端部の縁は、鋭くギザギザとしていました。

 食器や食品容器等の縁部の鋭さについて定めた国内規格はありません。そこで、米国の材料・部品・装置・道具類などに関する安全規格(UL規格)のUL1439「機器の縁の鋭さに対する試験」、及び日本の玩具安全基準(ST基準)のST-2016「5.8鋭い縁部」を準用し、当該品のふたのステンレス板の縁の鋭さを調査しました。その結果、UL規格のテストでは「人体障害のおそれに繋がる鋭い縁部」、ST基準のテストでは「潜在的に危険な鋭い縁部」と判定されました。

 次に、ふたを手で回して開けようとする動作の再現テストを行いました。テストではソーセージを親指の代替物としてあてて行いました。ふたをしっかり締め付けた状態(締付トルク:約1N·m)で回すテストをした結果、当該品では、ふたの縁にこすりつけたソーセージの皮が破れました。

 以上、当該品のふたは縁が鋭利であり、ソーセージを使用した再現テストでも皮が破れたことから、危険性のある部品と考えられました。

 依頼センターがテスト結果を事業者に説明したところ、事業者から、ステンレス板をカットする刃のメンテナンス回数を増やすとともに、縁部の安全確認方法の変更を行うとの回答がありました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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