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[2021年11月4日:公表]

グリップの付け根部分が破損した縄とび(相談解決のためのテストから No.159)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「縄とびを初めて使用したところ、グリップの付け根部分が破断した。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、ロープやグリップなどがすべて樹脂製の縄とびで、相談者によると、コンクリートの上で、跳びはじめて約5分経過したときに、グリップの付け根部分が突然破損して、隣にいた子どもに縄が当たったとのことでした。

 当該品は、グリップに挿入されたロープの端の回転子がグリップから抜けないように取り付けられたキャップのうちの一方が破損し、キャップの大部分が失われていました。また、当該品の破損していない方のキャップのネジの内径はグリップのネジ外径よりも小さく、グリップの根元までねじ込むことができませんでした。一方、別途購入した同型品のキャップのネジの内径は、グリップのネジの外径よりもやや大きく、グリップの根元までねじ込むことができました。

 次に、破損した当該品のキャップの破断面を観察したところ、キャップの内側には、過大でゆっくりとした力による破壊の際にみられる平滑な破面で、外側には衝撃的な力によって一気に破壊したときにみられる脆性(ぜいせい)破壊を示すシェブロン(松葉状模様)がみられたことから、破壊の起点は内側にあり、キャップが内側から外側に押し広げられるような応力が掛かるなどしてひび割れが進んだあと、引きちぎられるように一気に破壊が進んだものと考えられました。

  • *ほとんど変形を生じないで割れが広がる亀裂

 以上、当該品の破損していなかった方のキャップのネジの内径と、グリップのネジの外径の関係から、ロット不良または単品不良の可能性が考えられました。このキャップをグリップに相当程度強くねじ込んだことで初期の亀裂が発生し、最初の使用で一気に破壊した可能性が考えられました。

 依頼センターがテスト結果を事業者に説明したところ、事業者から「キャップの成型不良と考えられるので、製造工場に金型の検査を行うよう指示を出した。」との回答がありました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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