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[2021年9月2日:公表]

鋭利な部品をもつシャワーヘッド(相談解決のためのテストからNo.155)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「シャワーヘッドのカートリッジを交換する際、落下したシャワーヘッドから外れた部品を拾おうとしたところ、端部で指を切った。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、浄水機能を有するカートリッジを装填(そうてん)して使用するシャワーヘッドでした。相談者によると、カートリッジを交換する際、シャワーヘッドキャップを落としてしまい、外れた散水板を拾うときに散水板の縁で指先に切り傷を負ったとのことでした。

 当該品のシャワーヘッドキャップを取り外し、内側から観察したところ、散水板とゴムパッキンが重ねてはめ込まれていました。当該品のシャワーヘッドキャップから取り外した散水板は、厚さ0.3mmのステンレス板に直径0.3mmの穴が多数あいており、外周の縁は鋭い形状で、外周の2カ所にはレーザー加工跡と思われるくぼみがみられました。なお、別途入手した同型品4個の散水板についても観察したところ、同様に外周の縁は鋭い形状で、レーザー加工跡と思われる2カ所のくぼみがみられました。

 シャワーヘッドの内部部品の鋭利さに関する規格・基準はありません。そこで、米国の材料・部品・装置・道具類などに対する安全規格のUL1439「機器の縁の鋭さに対する試験」及び日本の玩具安全基準のST-2016「5.8鋭い縁部」を準用し、散水板の縁の鋭利さを調査しました。その結果、UL規格の方法では鋭利な部分(人体障害の恐れに繋がる鋭い縁部)とは判定されませんでしたが、ST基準の方法では鋭利な部分(潜在的に危険な鋭い縁部)と判定されました。

 相談者は、シャワーヘッドキャップを床に落とした際に外れた散水板で指先に切り傷を負ったことから、シャワーヘッドキャップを床に落下させたときの散水板の外れやすさをテストしました。その結果、当該品、同型品ともに高さ20cmからの落下で、ゴムパッキンと散水板が外れました。

 当該品の取扱説明書を確認したところ、散水板の縁部に触れた場合の危険性については記載されていませんでした。

 以上、当該品は、鋭利な散水板の縁部に触れる可能性のある商品と考えられました。

 テスト結果を受け、事業者から相談者に、散水板の縁部に研磨を施す等の安全対策を図るとともに、散水板の縁を素手で触れない旨の注意喚起を取扱説明書に追記しました、との回答がありました。なお、相談者には商品代金が返金されました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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