レンタカー、カーシェアのトラブルに注意−事前に保険等の契約条件、車体の傷等を念入りに確認しましょう−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
全国の消費生活センター等には、レンタカーやレンタカー型カーシェアリング(以下、レンタカー等(注1))といった、「消費者が事業者から車を借りるサービス」に関する相談が寄せられています。
ここ数年、相談件数は年間500件程度で推移しています。相談内容を見ると「つけた覚えのない傷の修理代等を請求された」等の返却時の修理代に関するトラブルが多く寄せられており、その他には利用中に発生した車両の不具合に関するトラブル、カーシェアのトラブル等も寄せられています。
レンタカー等の事業者数及び車両数は増加し、カーシェアのような比較的新しい形態も出てきていることから、消費者トラブルの未然防止・拡大防止のために注意喚起を行います。
図.PIO-NET(注2)における四輪自動車のレンタカー(注3)に関する相談件数の推移
※2019年度同期件数(2020年2月28日までのPIO-NET登録分)は434件
年度別相談件数:2016年度は468件、2017年度は526件、2018年度は512件、2019年度は522件、2021年2月28日までの件数は375件です。
- (注1)本公表ではいわゆるCtoC(個人間)のカーシェアは対象としていない。
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。本資料の相談件数は、2021年2月28日までのPIO-NET登録分。
- (注3)「四輪自動車のレンタカー」にはカーシェア(CtoCも含む)に関する相談も含まれている。
パターン別の主な相談事例
返却時の修理代等に関するトラブル
つけた覚えがない車体の傷を指摘されて修理代を請求された
数回利用したことがあるレンタカー会社に車を借りに行った。見るからに使いこんである全面傷だらけの車ではあったが、国産車で価格も安いので、傷は気にせずに借りることにした。ところが、車を返却しに行くと、「助手席側のドアの縁に傷がついているので補償金を払ってください」と言われた。そもそも傷だらけなのに、つけてもいない傷の修理代を返却時に請求されるのは納得がいかない。その後、修理代と休業補償等として、4万5000円を請求された。
(2019年9月受付 40歳代 男性)
その他の事例
- 返却時に問題ないと言われたのに後から電話があり、覚えのない傷を指摘された
- 保険が適用されず高額な修理代20万円を請求された
- カーシェアで鍵を紛失したら交換費用として18万円請求された
利用中に発生した車両の不具合に関するトラブル
- レンタカーを借りて1時間走ったら警告ランプが点灯し走行不能になった
- レンタカーのカーナビの電源がオフにならないためバッテリーが上がった
- 電気系統の故障によってカーシェアで借りた車が動かなくなった
無人ステーションに起因するカーシェア特有のトラブル
- サイドブレーキの位置が分からなかった
- 返却翌日にバッテリーが上がっていたと指摘された
- 返却手続きが完了していなかった
相談事例からみる問題点
- 保険や補償制度の適用、休業補償等に関する契約条件が複雑で、消費者の理解不足を招きやすい
- レンタカーでは利用前後の車両チェックが的確に行われていない場合がある
- 車の機能が高度化・複雑化したことに伴い、思わぬ高額な費用負担がある
- 車両整備が十分でなかった場合がある
- 無人ステーションを起因とするカーシェアのトラブルがある
消費者へのアドバイス
- 契約前に保険や補償制度の適用条件を十分に確認し、不明な点は事業者へ確認しましょう
- 利用前と返却時には、必ず車の状態を確認して記録しましょう
- 事故を起こした場合には所定の手続きをとりましょう
- カーシェアは利用前後に必ず自分で確認しましょう
- トラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう
- *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
- 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
業界への要望
以下の4点について、業界団体に会員事業者へより一層周知するよう要望します。
- 保険の内容等の契約条件、事故時の対応方法等について、一層の周知
- 車体の傷等のチェック及びその記録の実施
- 車両の整備・点検の実施
- カーシェアにおける、「無人」に起因して発生するトラブル防止対策の強化
要望先
一般社団法人全国レンタカー協会(法人番号4010405009417)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について