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[2020年12月17日:公表]

コードの付け根から発火したドライヤー(相談解決のためのテストからNo.147)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「ヘアドライヤーを使用していたところ、コードの付け根部分から発火した。発火した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品を調査したところ、電源コードはコードブッシュとの境界で一部断線していたほか、被覆にしわが見られました。また、X線による内部観察を行ったところ、2本の導線のうち、1本は完全に断線しており、もう1本は屈曲し、一部が断線している様子が確認されました。

 さらにX線CT検査装置を用いて観察したところ、完全に断線していた導線側は、導線を構成する複数の素線に溶融痕(注)が見られました。また、もう1本の屈曲していた導線については、一部の素線に断線が見られたものの溶融痕はなく、2本の導線同士が接触した痕跡も見られませんでした。このことから、当該品は完全に断線した導線の端部同士が接触したり離れたりしたことで発火したものと考えられました。

 なお、当該品の同型品を用いて電気用品安全法に基づく技術基準を参考にコードの折り曲げテストを行ったところ、電源コードの被覆に損傷は見られず、導線を構成する素線の断線も見られませんでした。

 当該品に限らず、ドライヤーのコードの付け根は使用・保管の際に屈曲やねじれが繰り返されることによって損傷する可能性があります。定期的にコードや本体を確認し、異常が見られたときはドライヤーの使用を控えるようにしましょう。

  • (注)電線が短絡(異なった極性の電線が接触した状態)やスパークした際、局部的に大きな電流が流れることにより、導線の接触部に生じる溶融した丸みのある塊のこと。

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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