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[2020年11月26日:公表]

刃が飛び出したスライサー(相談解決のためのテストからNo.145)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「スライサーを洗っていたところ、横に飛び出していたスライサーの刃で指を切った。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、本体の上で野菜を前後にスライドさせて薄く切断するスライサーで、板状の本体に平刃が斜めに取り付けられているものでした。相談者によると、当該品を約1年間ほぼ毎日使用しており、キャベツをおろした後、水洗いしていたところ、本体の横に飛び出していた刃によって指をけがしてしまったとのことでした。

 当該品は、スライス用の平刃が、本体の両側面に開けられた線状の固定穴にはまる構造になっており、平刃は取っ手から見て左側にずれて、本体の固定穴から2mm飛び出た状態になっていました。平刃は接着剤などで固定されておらず、取っ手右側の穴に圧入固定(圧力で押し込んで固定)されていました。また、当該品は野菜を前後にスライスする際に、平刃が固定穴から押し出される力が掛かる可能性がある構造となっていました。テストのため新たに購入した新品の同型品も同様でした。

 次に、当該品の飛び出ていた平刃を正しい位置に戻し、玉葱をスライスしたところ、刃の切れが鈍っていました。そして、スライスする毎に平刃の取っ手左側が前後にがたつく様子がみられ、玉葱1個をスライスし終わった時点では平刃が本体から1mm取っ手左側に飛び出していました。なお、新品の同型品を使用したところ、刃の切れが良いため、ほとんど抵抗なく玉葱をスライスすることができ、玉葱2個に加えキャベツ半玉をスライスしても平刃が本体から飛び出すことはありませんでした。

 以上、当該品は野菜を前後に動かすときに平刃に力が掛かり、平刃が本体側面から飛び出したものと考えられました。なお、同型品においても使用するうちに当該品のように固定が緩んでくる可能性が考えられました。

 依頼センターがテスト結果を事業者に説明したところ、商品の注意表示に「はめ込んである刃ががたついたり、ずれたりした場合は、危険ですので使用を中止してください。」と太字強調で追記することに加え、刃部が本体に確実に固定される構造への変更に取り組むとの回答がありました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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