SNSをきっかけとした消費者トラブルにご注意! 中高「生」だけじゃなく中高「年」も
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
SNSの利用者が増加するなか、全国の消費生活センター等に寄せられるSNSに関連する相談件数は年々増加しており、2010年度(3,143件)に比べると、2019年度は2月末日までで約6倍(19,251件)になっています。とくに50歳以上は30倍以上と大きく増加しており、中学生・高校生などの若年層だけでなく、中高年層でもトラブルが発生しています。相談内容をみると、(1)SNS上の広告がきっかけとなるトラブル、(2)SNS上で知り合った相手からの誘いがきっかけとなるトラブル、(3)SNS上で知り合った相手との個人間取引のトラブルが各年代でみられます。
図.PIO-NET(注)にみるSNSに関連する相談件数
※2018年度同期件数(2019年2月末日までのPIO-NET登録分)は14,160件
2010年度の相談件数は3,143件、うち契約当事者が20歳未満は311件、20歳〜49歳までは2,597件、50歳以上は145件、2011年度の相談件数は4,189件、うち契約当事者が20歳未満は402件、20歳〜49歳までは3,333件、50歳以上は306件、2012年度の相談件数は4,756件、うち契約当事者が20歳未満は397件、20歳〜49歳までは3,648件、50歳以上は510件、2013年度の相談件数は4,865件、うち契約当事者が20歳未満は395件、20歳〜49歳までは3,609件、50歳以上は626件、2014年度の相談件数は7,178件、うち契約当事者が20歳未満は620件、20歳〜49歳までは5,282件、50歳以上は946件、2015年度の相談件数は9,566件、うち契約当事者が20歳未満は720件、20歳〜49歳までは6,763件、50歳以上は1,644件、2016年度の相談件数は12,333件、うち契約当事者が20歳未満は830件、20歳〜49歳までは8,444件、50歳以上は2,431件、2017年度の相談件数は15,398件、うち契約当事者が20歳未満は992件、20歳〜49歳までは10,496件、50歳以上は3,231件、2018年度の相談件数は17,441件、うち契約当事者が20歳未満は1,171件、20歳〜49歳までは11,317件、50歳以上は4,240件、2019年度の相談件数は19,251件、うち契約当事者が20歳未満は1,715件、20歳〜49歳までは11,976件、50歳以上は4,745件です。
- (注)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は2020年2月末日までのPIO-NET登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。
相談事例
- 【事例】「10名に120万円が当たる」はずが、FX自動売買アプリの申し込みだった
- SNSで「先着2,000名に1万円が当たり、その中の10名に120万円が当たる」というプレゼント企画を見つけ応募したところ、「120万円が当たった」と連絡が来た。現金でもらえると思っていたのに、120万円の価値があるFX自動売買アプリを申し込むことになっており、すでに7,000人が契約し順番待ちをしているので待つように言われた。また、無料の体験版アプリを勧められインストールし、内容はよく分からなかったが毎日1万円分が自動的にチャージされたので、1カ月で30万円稼げると思った。
ところが後日、SNSに送られてきたURLにアクセスしたところ、突然セキュリティ費用として約10万円を支払うように言われた。「最終募集」とあり、翌日までに支払うようになっていたため、焦ってカード決済してしまった。その後、さらに儲けるためには約50万円の支払いが必要と言われ、カード決済したが、まだアプリのダウンロードはしてないので解約したい。
その他、以下のような相談も寄せられています。
SNS上の広告がきっかけとなるトラブル
- SNSの広告を見て「1回限り」で注文した健康食品が「定期購入」だった
- SNSで広告のあったオーディションに合格したが、高額な講座を契約させられた
- SNS広告をみて脱毛エステを契約したが、予約状況や施術期間が広告と違う
SNS上で知り合った相手からの誘いがきっかけとなるトラブル
- アパレルバイヤーに興味はないかと誘われ、転売ビジネスの契約をしたが稼げない
- SNSで知り合った女性とやりとりし、これまで370万円費やしたが会えない
SNS上で知り合った相手との個人間取引のトラブル
- 「チケットを譲る」との書き込みを見て支払ったが、チケットが届かない
- コンサートグッズの代行購入を依頼し振り込んだが、グッズが届かない
アドバイス
SNSは便利なコミュニケーションツールですが、思いがけず消費者トラブルに巻き込まれることがあります。SNSを安全に利用するために、SNSのリスクも認識しましょう。
- SNS上の相手が本当に信用できる相手なのか、慎重に判断しましょう。
- 大幅な値引きなどをうたうSNS上の広告や、「簡単に儲かる」などの投稿やメッセージは鵜呑みにしないようにしましょう。
- 家族でSNSの利用方法を話し合うとともに、ペアレンタルコントロールやフィルタリング機能も活用しましょう。
- 身分証明書の情報は絶対に渡さないようにしましょう。また、個人情報や自分の写真、身元が分かるような書き込みは安易に投稿しないようにしましょう。
- 不安に思った場合や、トラブルが生じた場合には、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう。
- *消費者ホットライン:「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
【参考】事業者団体の取り組み
一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)では、フィルタリングサービスの重要性の周知及び利用促進のため、啓発動画をTCAウェブサイト等で公開しています。
啓発動画は、海賊版サイトの撲滅などに取り組んでいる出版9団体で構成される出版広報センターの協力のもと制作され、フィルタリングサービスの利用促進、および海賊版サイトで漫画を読むことの危険性のほか、ABJマークが表示された正規版サービスの利用を呼び掛けています。
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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