「保険金を使って住宅を修理しませんか」がきっかけでトラブルに!−高齢者からの相談が増加しています−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
全国の消費生活センター等には「火災保険などの損害保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」や「保険金が出るようサポートするので住宅修理をしないか」など「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスに関する相談が多く寄せられています。
当センターでは、2012年に同様のトラブルに関する注意喚起(注1)を行いましたが、その後もPIO-NET(注2)に登録された相談件数は増加傾向が続いており、2017年度は2008年度に比べて30倍以上増加しています。また、60歳以上の消費者が当事者となっている相談が多く占めています。
そこで、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスに関するトラブルの未然防止・拡大防止のため、最近の事例を紹介するとともに、消費者への注意喚起と関係機関への情報提供を行います。
図 「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの年度別相談件数
※1 2017年度同期件数(2017年7月31日までのPIO-NET登録分)
※2 契約当事者のうち60歳以上の割合(割合の算出には不明・無回答を除く)
2008年度の相談件数は36件、契約当事者が60歳以上の割合は53%、2009年度の相談件数は80件、契約当事者が60歳以上の割合は53%、2010年度の相談件数は111件、契約当事者が60歳以上の割合は41%、2011年度の相談件数は282件、契約当事者が60歳以上の割合は64%、2012年度の相談件数は548件、契約当事者が60歳以上の割合は65%、2013年度の相談件数は690件、契約当事者が60歳以上の割合は72%、2014年度の相談件数は663件、契約当事者が60歳以上の割合は75%、2015年度の相談件数は817件、契約当事者が60歳以上の割合は74%、2016年度の相談件数は1081件、契約当事者が60歳以上の割合は80%、2017年度の相談件数は1177件、契約当事者が60歳以上の割合は75%、2018年7月31日までの相談件数は389件(前年度同時期の相談件数は300件)、契約当事者が60歳以上の割合は80%です。
- (注1)「保険金が使える」という住宅修理サービスの相談が増加!(2012年12月6日公表)
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は2018年7月31日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれない。
相談事例
- 【事例1】
- 申込時に手数料に関する説明がない
- 【事例2】
- クーリング・オフをしたところ、手数料は支払うようにいわれた
- 【事例3】
- 保険金が少なくすぐに工事を頼めないと言ったら違約金を請求された
- 【事例4】
- 保険金が支払われた後、事業者が修理工事を始めない
- 【事例5】
- うその理由で保険金を請求すると言われた
- 【事例6】
- 修理の必要がないのに、不具合があるかのように言われた
相談事例からみる問題点
- 自己負担がないことを強調し、契約の内容や手数料・違約金の説明が不十分
- 見積もりと違う工事をされたり、修理内容がずさんなことも
- 保険会社にうその理由で保険金請求が行われている
- 屋根に細工をしたり、クーリング・オフをさせないようにしたりする悪質な場合も
消費者へのアドバイス
- 「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約をしないこと
- 保険契約の内容や必要書類を確認し、まず保険会社に相談すること
- うその理由で保険金を請求することは絶対にやめること
- 不安に思った場合やトラブルになった場合は早めに消費生活センター等に相談すること
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
- 消費者庁 取引対策課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 金融庁 監督局 保険課(法人番号6000012010023)
- 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官(法人番号8000012130001)
- 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(法人番号7010005018856)
- 一般社団法人日本損害保険協会(法人番号2010005018514)
- 一般社団法人日本共済協会(法人番号1011105002227)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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