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[2018年4月5日:更新]
[2018年3月1日:公表]

自転車の前車輪の脱落に注意−スポーツ車などのクイックレリーズハブは乗車前の使用者による固定確認が必要です−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 自転車の中には、クイックレリーズハブという車輪の着脱に工具を使用しないで行うことができる機構が使用されているものがあります。

 当センターでは、最近の3年間に、クイックレリーズハブに関するテスト依頼を4件受けています。いずれの依頼内容も、走行中に突然、前車輪が脱落したために転倒し、大けがを負ったというもので、いずれもクイックレリーズハブの固定が緩い状態で走行したために前車輪の脱落が生じたと考えられました。また、3件については、購入してから一度も自身でクイックレリーズハブの操作を行ったことがないとのことでした。

 PIO-NETには2012年度以降、クイックレリーズハブを使用した自転車で前車輪が脱落したという危害・危険情報が22件寄せられています。走行中に前車輪が脱落した場合、乗員は車両進行方向に向かって投げ出され、重篤な事故に発展する傾向があります。

 そこで、自転車に使用されているクイックレリーズハブについて、使用実態等を調査し、情報提供することとしました。

自転車の車輪の固定方法について

  • 日常の交通手段を目的とした一般的な自転車の車輪は、ナットを工具で締め付けて車体に固定しますが、スポーツ車ではカムレバーを手で倒すことにより車体に固定するクイックレリーズハブが主流です。
  • クイックレリーズハブは本来、競技など迅速な車輪の交換をするなどの目的のため、工具を使用しないで車輪の着脱ができる機構です。

消費者へのアンケート調査

  • 3割は、前車輪を外したことがありませんでした。
  • 4割は、自転車購入時に、販売者から前車輪がレバー操作で外れることについて、説明を受けていませんでした。
  • 3割は、乗車前の前車輪の固定確認を行ったことがありませんでした。
  • 半数以上は、前車輪がレバー操作で簡単に外れる構造は「必要ない」、「どちらでもよい」と回答しました。
  • 2割は、前車輪が外れてケガをした、あるいは外れそうになって危険な思いをしたと回答しました。

実車確認調査

  • 52台中8台の自転車は、カムレバーの固定位置が不適切でした。
  • カムレバーの固定力が弱いものと、カムレバーの固定位置が不適切であったものを併せると、52台中31台の自転車はクイックレリーズハブを正しく固定できていませんでした。

再現テスト

  • クイックレリーズハブの固定が緩い状態で走行を続けた場合、前車輪が脱落することが確認できました。

消費者へのアドバイス

  • 乗車前に前車輪の固定確認などの点検を必ず行いましょう。
  • 初めてクイックレリーズハブを使用している自転車を購入する場合は、必要性を十分に検討し、的確なアドバイス及びサービスが提供できる販売店などから購入しましょう。

業界への要望

  • 走行中に前車輪の固定が緩んでもより脱落しにくい機構の普及促進及び、消費者が着脱を前提としない商品を選択できるようにすることを要望します。
  • クイックレリーズハブを使用した自転車の販売時には、正しい使い方と日常の点検方法について説明することを要望します。

要望先

  • 一般社団法人自転車協会(法人番号6010405010595)
  • 日本自転車軽自動車商協同組合連合会(法人番号3010405001861)

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 経済産業省 製造産業局 車両室(法人番号4000012090001)
  • 国土交通省 自転車活用推進本部事務局(法人番号2000012100001)
  • 公益財団法人日本交通管理技術協会(法人番号6011105004854)
  • 一般財団法人自転車産業振興協会(法人番号3010405000277)
  • 一般財団法人日本車両検査協会(法人番号4011505000802)
  • 一般財団法人日本自転車普及協会(法人番号8010405001023)
  • 一般社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(法人番号8010005004343)
  • 日本チェーンストア協会(法人番号なし)

動画

業界の対応 ※2018年4月5日 追加

「一般社団法人自転車協会」より

 メーカーを中心に構成されている当会の正会員並びに販売店で構成されている特別賛助会員各社に対し、以下の通り連絡しました。

 製造輸入事業者には、走行中に前車輪の固定が緩んでもより脱落しにくい構造の普及促進及び、消費者が着脱を前提としない商品を選択できるようにする旨を、販売事業者にはクイックレリーズハブを使用した自転車の販売時には、正しい使い方と日常の点検方法について説明して頂く旨を、各々周知致しました。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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